市民権を得たプライドパレード、30年前日本で始めた92歳の男性が心配すること LGBT理解増進法に潜む差別、「大事なのは個々の幸せ」
「これは多数派の権利擁護と言え、ひどい差別がある。それがいつか噴出するのではないか」と危惧する。具体的には、「例えば戦争です。そうなれば、言論を統一しなければならない状況になり、少数派はないがしろにされるでしょう。法律というのは力がある。われわれはどんな時代でも少数派であることに変わりはないですから」 インタビューの最後に改めてパレードへの思いを聞いた。「パレードに人を集め、大きくすることが目的なのではなく、大事なのは個々の幸せです」と南さんは言葉に力を込めた。同性婚など性的少数者を巡る状況への課題は多く、達成するためには数を力だと考えやすくなるとみる。一方で集団が大きくなれば、その中でまた打ち消されてしまう声があるのではないかとも懸念する。「おのおのが求める幸せの形があるはずです。それを追求していくことこそが大事だと思っています」