30代主婦、先日パートの時給が上がり、「年収106万円」を超えて社会保険に加入することになりました。「130万円」未満でも強制加入なのですか? 手取りが減ってしまいましたが、将来の「年金額」はどのくらい増えるでしょうか?
2024年10月から、従業員数51人以上100人以下の企業で働くパート・アルバイトの人たちも要件を満たすと新たに社会保険の適用対象となります。昨今の賃上げブームで最低賃金の上昇が続いており、年収106万円の壁を超えて社会保険に加入する人は増えていくと予想されます。 本記事では月収8万8000円のパートで働く30代女性が社会保険に加入することで、どれくらい手取りが減少するのか? 将来の年金はどの程度増えるのか? 社会保険に加入することで受けられるメリットについて解説します。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
2024年10月より社会保険の適用対象が拡大、年収106万円の壁が発生する
2022年10月から従業員数101人以上の企業などで働くパート・アルバイトの人が次の要件を全て満たすと、社会保険に加入することが義務付けられていましたが、2024年10月から、従業員数51人以上の企業も対象となります。 ●1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満 ●所定内賃金が月額8万8000円以上 ●2ヶ月を超える雇用の見込みがある ●学生ではない これらの要件を全て満たすと、社会保険への加入が義務となり、配偶者の扶養から外れ、健康保険料や厚生年金保険料を給与から天引きされます。従来は年収130万円の壁といわれていましたが、社会保険の適用拡大によりパートやアルバイトにとっては年収106万円が新たな壁となっています。
月収8万8000円の手取りはどれくらい減少する? 年金はどれだけ増える?
月収8万8000円の場合、厚生年金保険料は月額約8000円、健康保険料は月額約4400円の負担(協会けんぽ、東京都の場合)となり手取りは8万8000円から約7万5000円に減少します。例えば、38歳から社会保険に加入し60歳まで月収8万8000円で勤務した場合、支払う社会保険料は22年間で約346万円です。一方で65歳からの年金額は厚生年金加入により年間約13万円増える見込みで、65歳から女性の平均寿命である87歳まで年金を受給した場合、増額分は約286万円となります。 年金の増額分より保険料支払い分が多いので、社会保険加入により損をすると考えるかもしれませんが、社会保険に加入することでその他のメリットを享受できるようになります。