中嶋常幸、森口祐子…“男女のレジェンド”からの教えとは 入谷響が合格圏内で最終日へ
<JLPGA最終プロテスト 3日目◇31日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6602ヤード・パー72> 17歳の笑顔がまぶしすぎる【懐かし写真】 前週、下部のステップアップツアー「ヒルズレディース森ビルカップ」で5位タイに食い込んだ入谷響が最終プロテストでも安定したプレーを見せ、トータル1アンダーの11位で3日目を終えた。小学6年生のころから中嶋常幸が主宰するトミーアカデミーで腕を磨き、現在は森口祐子がスーパーバイザーを務める朝日大学ゴルフ部に所属。男女のレジェンドの指導を受ける18歳が合格に大きく前進した。 「試合になるとアドレナリンが出て、どこまで行っちゃうのということもあります」。入谷の武器は250ヤードを超える飛距離。ただし、今年の会場である大洗ゴルフ倶楽部ではその武器を思う存分発揮させてもらえない。「練習ラウンドでは結構使ったのですけど、きょうドライバーを使ったのは3~4回です」。1打差で合格を逃した昨年の最終プロテストの会場、JFE瀬戸内海ゴルフクラブの方がドライバーを思う存分使える「好きなコースだったかも」と苦笑いを浮かべた。 ただし、合格ラインが5アンダーとなった伸ばし合いより、現時点で2オーバーの選手まで圏内にいる今年の方が試合展開としてはやりやすい。「バーディパットを外しても、耐えていれば、なんとかなりますから」。初日、2日目はパッティングに苦しんだが「72」「73」と並べて圏内をキープ。3日目は5バーディ、3ボギーの「70」で順位を上げた。 トミーアカデミーでは技術、トレーニング方法など多くのことを学んできた。「中嶋プロが経験を話してくださるのが勉強になります。似たような体験をしたときに中嶋プロはこういう気持ちだったんだと後で分かることも多いです」。プロテストを戦い抜くメンタルもツアー48勝のレジェンド直伝。2日目のラウンド後にはメールで「自分のことに集中して、目の前のことに集中して、やれることをやるんだぞ」と激励のメッセージももらった。 昨年のトップ合格者で仲のいい清本美波とともに進学した朝日大学のゴルフ部はツアー41勝の森口が指揮する。まだ1年生でレッスンを受けた回数は少ないが、面談でじっくりと話を聞いてもらい、アドバイスをもらった。男女のレジェンドに指導を受けられる恵まれた環境に「自分でもビックリしています」と素直な思いを口にした。 最終日に向けては中嶋のメールを思い出すように「スコアを気にし始めると止まらなくなるので、目の前のプレーに集中したいと思います」。2人のレジェンドも吉報を心待ちにしている。(文・田中宏治)