〔米株式〕NYダウ続落、369ドル安=ナスダックも安い(19日午前)
【ニューヨーク時事】19日午前のニューヨーク株式相場は、ロシアが核ドクトリンを改定したことへの懸念からリスク回避の売りが広がり、続落している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時現在、前日終値比369.03ドル安の4万3020.57ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は52.28ポイント安の1万8739.53。 ロシア国防省は19日、ウクライナ軍が同日未明、ロシア西部ブリャンスク州の軍事施設を狙い、米国製の長距離地対地ミサイル「ATACMS」を撃ち込んだと明らかにした。バイデン米政権がロシア領内の攻撃にATACMSの使用を認めたと17日に伝えられた後の最初の適用例となる。これに対しロシアのプーチン大統領は19日、核兵器の使用条件を示した核ドクトリンを改定し、ウクライナを軍事支援する各国も核を含む攻撃の対象になり得ると警告している。地政学的リスクの高まりが嫌気される中、リスク回避の動きが先行し、ダウは売りが優勢となっている。 一方、米小売り大手ウォルマートが19日発表した2024年8~10月期決算は増収増益で、売上高と調整後1株当たり利益(EPS)はともに市場予想を上回ったほか、堅調な消費を踏まえ、通期業績見通しを引き上げた。同社株は3%超高と上昇し、ダウの下値を支えている。 ダウ構成銘柄では、ウォルト・ディズニーやホーム・デポ、シャーウィン・ウィリアムズなどが下落。個別銘柄をみると、ホームセンター大手のロウズが3%超安と売られている。一方、ナスダック市場で上場廃止となる恐れが出ていたサーバー大手スーパー・マイクロ・コンピューターは、廃止が回避できる可能性が浮上し、29%超高と急伸している。