茂木健一郎「他人はコントロールできない」「人に期待しないことが大切」仕事を評価してもらえなくて虚しい…悩む相談者に脳科学の視点からアドバイス
脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。 TOKYO FMとJFN系列38局の音声配信プラットフォーム「AuDee(オーディー)」では、当番組のスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を配信中です。この番組では、リスナーの皆様から寄せられたお悩みに茂木が脳科学的視点から回答して「ポジティブな考え方」を伝授していきます。 今回の配信では「前向きに仕事を進める方法」に関する質問に答えました。
<リスナーからの相談>
仕事で結果・成長を認めてもらえないことに虚しさを感じています。そんななか、同じ環境で前向きに仕事を進めていくには、どのような考えをしていけばいいですか? アドバイスをいただけたら嬉しいです。
<茂木の回答>
茂木:まず、これは会社のマネジメント側から見ると明らかに問題があるということですよね。相談者さんだけなく、会社のチームのなかでの共通した問題かもしれません。1つの考え方として、相談者さん個人の問題であるけれどもチーム全体の意思疎通の問題でもあるので、どこかのタイミングでそのお気持ちをシェアできたらいいかなと思います。上司の方を非難するとか「こういうふうにしてください」と要求することではなく、相談者さんが感じていることをお伝えするのはとても意味があることだと思います。 そのうえで、脳科学の立場から言うと、他人はコントロールできません。たとえば、友人とか恋人、家族でもそうですけども、「認めてもらいたい」「褒めてもらいたい」と思っていても、相手がそうなるとは限りません。なので、基本的には「期待をしない」のがいいかなと思います。少し寂しい考え方のようですが、実は、基本的に他人に期待しないことが大切なのかなと思います。 僕自身、今は他人に期待しないで生きています。それは長年の経験プラス脳科学でそうすることがいいのではないかと自分で思っているからです。自分のことしかコントロールはできないので、まずは自分で目標を設定しましょう。そして、それがクリアできたら自分で自分を褒めてください。 意外と大事なことなのですが、人間は鏡に映したように自分と他人を見合ってコミュニケーションをするのです。相談者自身が会社の同僚の方、あるいはなかなか認めてくれない上司のいいところを見つけて、積極的に認めるというのもいいかもしれません。そうすると、逆に相談者さんのことも認めようとなるかもしれません。 とはいえ、理屈でわかっていても疲れたり、気持ちが落ち込んだりすることがあるかもしれません。たまにはおいしいものを食べたり友達と遊びに出かけたりといった、素敵な時間を過ごしていただけたらなと思います。あとは、運動をするのもいいです。工夫して体を動かして気分転換するのもいいかなと思います。 (「茂木健一郎のポジティブ脳教室」配信より)