“日本車の聖地”として外国人が殺到、首都高最大のパーキングエリア「大黒PA」のリアル
夕闇が迫るとクルマの台数はさらに増え、外国人の比率も高まってきた。コロナウイルスの鎮静化後に再び増えてきたインバウンドは、SNSの隆盛でコロナ以前に比べ、観光地ではないところに人が集まるようになってきている。このPAも、SNS時代の新たな日本の観光地の仲間入りをしている印象が強かった。 筆者は、カリブ海に浮かぶキューバを訪れた際、アメリカのクラシックカーが何百台、何千台と現役で走っている姿を見て、胸が少し熱くなった記憶がよみがえった。
キューバでは、経済封鎖により古いクルマを修理しながら乗り続けざるを得なかったのだが、長い年月にわたり大切に乗り継がれてきたクルマが放つ独特のオーラのようなものが、大黒で見られるクルマに相通じるものを少し感じたからかもしれない。 なお、キューバでは今、クラシックカーの一部はタクシーに利用され、観光客の人気を集めている。 ■売店や飲食店も「車の聖地」にあやかる こうした“聖地化”により、売店やレストランでも、それを意識したラインナップが用意されている。お土産などの売店の一角にはカーグッズのコーナーがあり、日本のスポーツカーなどのプラスチックモデルやステッカーといった、ファンが喜びそうな商品が並べられていた。
売店の人に聞いてみると、こうした商品はやはり“聖地化”に合わせて店頭を飾るようになったという。 また、大黒PAには、蕎麦、ラーメン、洋食、そして軽食を提供するフードコートがあるが、その中の横浜龍麺という店では、横浜名物のサンマーメンのほか「味噌の深みが加速する 背脂とにんにくのツインターボ」というキャッチフレーズが大きく書かれた「大黒みそラーメンTWIN TURBO」というメニューまであり、つい頼んでしまった。
1500円というちょっとお高めのラーメンだったが、刻んだチャーシューとピリ辛のもやし、ニンニクなどがたっぷり入って、たしかに喉元からしゃきっとする、元気が出そうな味であった。 ちなみに、その辛みを中和するため大黒PA限定の「大国様どうなつ」も購入。こちらは、大黒PAの名前の由来でもある「大黒様」が、包み紙に描かれていた。 言うまでもなく、大黒様は七福神のひとりで、大黒ふ頭周辺には恵美須町や弁天町もある。埋立地に地名を付与する際、吉祥の名前が付けられたからだろう。