“日本車の聖地”として外国人が殺到、首都高最大のパーキングエリア「大黒PA」のリアル
報道のとおり、日本製のスポーツカーや公道上ではほとんど見かけなくなったといってよい1980年代のトヨタ「マークⅡ」などが並んでいて、その様子はショッピングモールの駐車場などとは明らかに違うクルマの見本市のようだ。 そして、そうしたクルマを見に来たマニアとおぼしき人たちが、何十人も駐車スペース脇にたむろし、スマホだけでなく、長い望遠レンズを取り付けた本格的な一眼レフカメラでシャッターを切っている。そのうち、欧米系や中国系など、おおよそ半分強が外国人であることが見て取れた。
もちろん、トイレ休憩や食事のために訪れている日本人のドライブ客もいるが、駐車しているクルマの過半数はスポーツカーなどで、ここに集うためにやってきた人だと思われる。ナンバーも関東一円だけでなく、福島、いわき、静岡など、遠方からのものも見受けられた。 ■日本車の聖地「DAIKOKU」 大黒PAが人気となった理由はいくつかある。アメリカの映画シリーズ「ワイルド・スピード」(初作は2001年)で日本車が注目され、日本のスポーツカーのショーが行われるほど、日本車に関心が高い層が生まれたこと、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのゲーム「グランツーリスモ」でこの場所が組み込まれたことなどが大きい。
そうした背景から、「DAIKOKU」は海外の人にとって、日本車の聖地となってきたのだ。 外国人は見たところ、そして話している言葉から国籍も年齢層もさまざまで、女性だけのグループはいなかったものの、男女グループやカップルも多く、女性の姿も目立つ。 そして、そうした外国人のほとんどは、1台1台を熱心に眺めてカメラに収めたり、クルマの所有者に話しかけたりしている。 幸い、テレビなどで報道されたような不法侵入や、障がい者用のスペースにクルマを停めるといった迷惑行為は見かけなかったが、どこのSA/PAでも味わえない不思議な空間になっていた。