日産ガバナンス委が会見 報告書を公表(全文2)執行と監督の長は分けるべき
議論の中で、日産経営陣との意思疎通はあったのか
産経新聞:産経新聞の【タカハシ 00:27:56】といいます。今回の提言なんですけれども、結果的に日産が会長職について、ルノーとの交渉が軟着陸できるような形に権限を縮小して分離、【**** 00:28:10】廃止するということで、なっているんですけれども、日産の取締役会についてはありがたいというか、都合がいい内容になっていると思うんですが、議論の中でそういう事務局とか社外取締役の方を通して、日産の経営陣とコミュニケーションっていうか、意思疎通があったのか、これはまったくなかったのかということについて教えてください。 西岡:今回の報告が最終報告ですけれども、中間報告という形ではないんですけれども、議論の過程で当然、日産の独立社外取締役の3名の方も入っております。その中でどういう議論の方向でここが進んでいるかということで、例えば指名委員会設置会社の方向で検討が進んでいると。 それから最終的には監査は社外ということと、議長は社外の方ということの検討が進んでいるということは、3名の方のほうにお伝えしておりますので、それが会社のほうで話すということも、委員会としては中間的にそういう方向で検討が進んでいるということを伝えるということにとっては、特に異論は述べておりませんので、そういうことで、方向性が結果的には一致したということになるのかとは思いますけれども、もし、いずれにしても検討していると。 それをこれから、やはり取締役会で考えてもらうということですね。今回やっと正式な報告をしましたので、その報告を踏まえて日産の取締役会で、そういう体制をどう組んでいくかということを考えていただくということになろうかと思います。決して、前もってこうだというふうにやって進めたものではございません。 榊原:一言よろしいですか。2番目の、会長職を廃止すると。それが日産の取締役会にとって有利な方向だとおっしゃった、それはどういう趣旨でおっしゃったのかよく分かりませんけれども、もちろん日産の取締役会とのコミュニケーションというのはまったくない状況の中でわれわれは決めたわけで、われわれの提言の趣旨は皆さんにウェブでお届けしている本文を読んでいただければよく分かります。 日産社、それから日産に限らず日本の会社はそうですけれども、会長職というのがあって、会長職というのが会社の執行組織のトップと同時に、監督機関である取締役会の議長も兼ねていると。それが、ゴーンさんもそうだったわけで、日本の多くの会社はそういう体制になっているわけですね。ですから、執行部隊の長と監督部隊の長が同じ人物だった。 それが日産の場合は、ゴーンさんはそれが十何年続いたということもあるんですけれども、今回のような不正を招いた大きな原因になっているのであるということで、これは日産に都合いいとか都合悪いじゃなくて、そういった体制を払拭しないでいたんだ、執行部隊の長と監督部隊の長は分けてくださいと、執行部隊の長は会長じゃなくてCEOにしてくださいと。今までのような会長職は廃止してくださいという、これは相当思い切った提言だと思います。 日本でもこういった事例というのはないと思っていますが、本来は執行部隊の長と監督部隊の長が同一人物というのは一般的には好ましくないわけで、そういった先進的な提言をしたものというふうに、われわれは思っています。従って、ご指摘のような日産にとって都合いいとか悪いとか、そういった水準ではなくて、もう少し別次元の提言というふうにお考えいただきたいと思います。