「食」と「祭り」がコラボ 食博覧会・大阪にぎわう
「食」と「祭り」がコラボ 食博覧会・大阪にぎわう 撮影:岡村雅之 編集・ナレーター:柳曽文隆 THEPAGE大阪
国内最大規模の食の祭典「食博覧会・大阪」が大阪市住之江区のインテックス大阪で開幕し、家族連れらでにぎわっている。4年に1度開催され、今年で9回目。全国各地の名物特産品が集まり、来場者は食との新しい出合いを求めて、会場内を食べ歩く。会期は来月7日まで。 【拡大写真付き】職員食堂改装で登場「大阪府庁ライス」は話題になるか
和食文化の魅力を祭りと連動して紹介
今年のテーマは「日本の祭り・日本の味比べ」。世界的な和食志向の高まりを受け、和食文化の魅力を、日本文化が息づく祭りと連動させて紹介する。日本の祭りライブステージでは全国各地の祭り集団が日替わりで出演し、日ごろの鍛錬の成果を披露している。 秋田市の秋田竿燈(かんとう)まつりは、帆船の帆のような形の竿燈を、熟練者がひとりで担いで練り歩く。46個の提灯を付けた竿燈は高さ12メートル、重さ50キロにおよぶ。ときに竿燈を大きくしならせながら優雅に操る名人芸に、観客たちが大きな拍手を送っていた。 全国的にも異彩を放つ秋田の竿燈と、大阪との歴史的接点を指摘する声がある。当サイトでリポートしたように、大阪市西成区の生根神社の夏祭りで奉納される「玉出だいがく」と、竿燈の形状が似ているからだ。江戸期、東北の食材などを天下の台所大坂へ運ぶ北前船が運航されていたころ、祭りの文化も海路を通じて交流していたとも考えられ興味深い。日本列島を舞台に、食文化と祭り文化がセットで花開いたわけだ。
震災被災地熊本や福島からも元気に出店
各地の特産品や名物を楽しめる「ふるさと街道」。熊本地震から1年が経過した熊本県からも、多くの人気店が元気に出店した。「肥後塩から揚げ」はとりのから揚げで、ニンニクを使用せず、塩と塩こうじのまろやかな味付けが特色。販売担当者は「子どもやお年寄りも気軽に食べられます」と、食べやすさを強調していた。 「いきなり団子」は、サツマイモと粒あんを小麦粉で包んだ三重構造。熊本県民の家庭料理で、不意の来客があっても、女性たちがすぐに手作りしてもてなしたことから「いきなり団子」と呼ばれるように。女性スタッフは「熊本出身者が懐かしいと立ち寄ってくださり、修学旅行で食べた思い出を聞かせてくれるお客様も」と、うれしそうに話した。 東日本大震災からの復興途上にある福島県のブースでは、地酒の有料飲み比べセットが好評だ。関西ではあまり知られていないが、福島の地酒は全国新酒鑑評会金賞受賞数で昨年まで4年連続日本一に輝く。利き酒をしていた日本酒通のシニア男性は「福島は蔵元の数こそ少ないが、うまい酒が多い」と、静かに地酒を味わっていた。