天皇陛下が自由を満喫された、英国オックスフォード大学留学中の食事
雅子さまとオックスフォード大学を訪れる夢がついに叶う
食堂では好きな席に座ってよく、他の学生と知り合う絶好の機会であった。テーブルの隣に座った者同士が自己紹介をして握手する姿をよく見かけた。実際、食堂は大切な生活の場となったのである。浩宮さまの英国出発前、美智子さまは「できるだけ食堂に出ること。よい傘を買うこと」をすすめられたという。まことに的を射たアドバイスであった。 『テムズとともに――英国の二年間』は、浩宮さまの帰国後、8年ほどたった1993年に学習院教養新書として刊行された。それから30年が経ち、2023年に学習院創立150周年の記念事業の一環として新装復刊し、ふたたび人々の注目を浴びるところとなった。そして、その間に、浩宮さまは第126代天皇に即位されたのである。 復刊に際し、天皇陛下は「復刊に寄せて」というあとがきを加えられた。そこにはこのような一文があった。 「遠くない将来、同じオックスフォード大学で学んだ雅子とともに、イギリスの地を再び訪れることができることを願っている」と――。 このたびの訪英の間には、天皇陛下と雅子さまがお二人揃ってオックスフォード大学へ訪問される予定も組まれている。陛下の夢は、いよいよ叶うのである。(連載「天皇家の食卓」第19回) 文・写真/高木香織 参考文献/『テムズとともに――英国の二年間』(徳仁親王著、紀伊國屋書店)、『新しい時代とともに――天皇皇后両陛下の歩み』(宮内庁侍従職特別協力、毎日新聞社)、宮内庁ホームページ 高木香織 たかぎ・かおり。出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に『美智子さまマナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへプリンセスの育て方』(ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さまあの日あのとき』、『日めくり31日カレンダー永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)、『美智子さまいのちの旅―未来へー』(講談社ビーシー/講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、『ママが守る!家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。