ちばてつやさん原画の散逸防止へ 適切な保管やデジタル化を検証
文化的な価値を持つ漫画の原画の散逸や劣化を防ぐため、文化庁は管理や活用に関する調査を始めた。「あしたのジョー」で知られる漫画家ちばてつやさんに協力してもらい、適切な保管やデジタル化の手法を検証する。 調査はちばさんが保有する原画や下書きに当たる「ネーム」といった資料計7万点余りを借りて実施。目録を作って全体を整理し、適切な保管の仕方を探る。権利関係も確認し、一般公開など活用しやすくする。数十点を対象に写真撮影し、デジタル化して保存する方法も確かめる。 日本の漫画やアニメは海外でも人気が高い。原画など制作過程の資料に関心を寄せる愛好家もおり、オークションで「鉄腕アトム」の原画が高額で落札された例がある。 管理は作家や遺族らが個人で担うケースが多い。相続などで権利関係が複雑化することもあり、保存状態や国外流出を懸念する声が高まっている。 調査は2023年度予算の3400万円で今年3月まで行い、24年度内に結果を公表する。24年度予算案ではアニメも含め、資料の保存活用事業として1億8500万円を計上した。