訪れたい「光る君へ」スポット 紫式部が『源氏物語』を着想?石山寺 定子・彰子さまのお墓はどこに
ハッキリ分かっていない道長・彰子さまのお墓
水野:お墓の話が出ましたが、藤原道長のお墓って「ここだ」とはハッキリ分かっていないんですよね。あんなに権力があった人なのに…。 たらればさん:宗教法人に守られないと、なかなかお墓を伝え続けるのも難しいですよね。 水野:宇治市の「源氏物語ミュージアム」などからふた駅ほど離れたところに、藤原氏宇治の陵墓群があるんですよね。JR木幡駅から歩いて、点在するお墓の石碑などを巡ることができます。 明治時代の調査で宇治陵が決められたそうで、一号の総拝所も住宅街にあって「こんなところに!」と驚きました。 水野:また、木幡小学校が建てられるときの発掘調査で、道長が建立したという「浄妙寺跡」が見つかって、小学校の裏側に「建立した寺の跡ですよ」という看板などが建っています。 たらればさん:彰子さまもその宇治陵のどこかに入っているとされていますから。 水野:グランドマザーと称される彰子さまでさえ、葬られたところがハッキリ分かっていないというのもすごいことだなぁと思います。 たらればさん:1000年以上経っていて、京都も何度も戦乱が起きて、戦国時代が長く続くわけなので。そして貴族は没落してしまう。そうなるとお墓って残りづらいですよね。人の命の儚さと、「それでも繋いでゆくこと」の偉大さを実感します。 なので、むしろ、ひとり、ふたりでも残っていること自体がすごいことだなって思ったほうがいいんじゃないかなと思います。肉体はまったく残らないけど、作品や名前、為した仕事は残って語り継がれてゆくんだなあとも思います。 ◆これまでのたらればさんの「光る君へ」スペース採録記事は、こちら(https://withnews.jp/articles/keyword/10926)から。次回のたらればさんとのスペースは、9月15日21時~に開催します。 <たらればさんが、朝日カルチャーセンターの講座『「枕草子」の煌めく世界―紫式部を鏡として』に登壇します。『新訂 枕草子』の著者・河添房江さん、津島知明さんに、清少納言や「枕草子」のあれこれを聞いて深掘りします。 日時:10月26日(土)13時~ 申し込みはこちら(https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7394695)から>