訪れたい「光る君へ」スポット 紫式部が『源氏物語』を着想?石山寺 定子・彰子さまのお墓はどこに
細い道を進み…定子さまのお墓へ
水野:次は、京都市にある定子さまのお墓を紹介しましょうか。 たらればさん:鳥戸野陵(とりべのみささぎ)ですね。定子さま亡きあと、清少納言が近所に住んで毎日お墓参りしながら過ごしたのかなぁ…と思うと、静謐な気分になりますよね。 水野:京都市東山区今熊野泉山町にあって、「本当にこの先にあるのかな?」と不安になる細い道を進んでいくんですよね。 たらればさん:泉涌寺の北ですね。観光地からはちょっと外れているので、観光客もいない静かなところです。 水野:わたしも誰ともすれ違わず、ずっと一人きりでお参りさせてもらいました。たらればさんが行ったのは大河ドラマが発表される前でしたもんね。 たらればさん:そうなんですよ。なので、より一層寂しかったですけど、やっぱり1人で「ここに……定子さまが……」と、興奮していました(笑)。 水野:宮内庁が管理していて、看板に「定子」の文字を見つけて、わたしも「おぉぉ」となりましたね。歴史がいまのリアルと結びついた、というか…。 ドラマ「光る君へ」では、定子さまの葬送の様子までは描かれませんでしたね。 たらればさん:定子さまの葬儀の様子は平安時代の歴史物語『栄花物語』に描かれています。長保二年十二月(西暦1001年1月)に亡くなり、兄の伊周が涙に泣きぬれて歌を詠んだとか、いろいろ細かく書かれています。 雪が降り積もるなか定子さまの棺が運ばれていった描写があるんですが、ここは大河ドラマでやってほしかったですね。再現するのが難しいだろうな、とは思いながら…。 水野:お参りして帰路につくと、京都タワーが遠くに見えるんですよ。当たり前なんですが、歴史と今ってやっぱりつながっているんだな、と思わせてくれる場所です。 たらればさん:京都の主要観光地からはちょっと離れてるんで行きづらいですけど、おすすめです。 9月4日には、公益財団法人古代学協会により、京都府京都市中京区室町通二条下ルに「一条天皇皇后藤原定子の二条宮跡 顕彰碑」が建立されました。ここはわたくしもまだ行ったことがないので、なんとか「光る君へ」放映期間内に参詣したいと思います。