センバツ当確の健大高崎エースが2年生史上最速158キロ! 安楽&朗希超えにも「まだまだ満足いってない」
◆第77回秋季関東高校野球大会第4日▽準々決勝 健大高崎10―3佐野日大=7回コールド=(29日・等々力) 関東大会は4強が出そろった。今春センバツ王者の健大高崎(群馬1位)は佐野日大(栃木1位)に7回コールド勝ち。来秋ドラフト候補のエース右腕・石垣元気(2年)が2年生では史上最速となる衝撃の158キロをマークし、7回3安打3失点で完投した。春夏通じて初の甲子園を目指す千葉黎明(千葉1位)は、昨春センバツVの山梨学院(山梨1位)に勝利。健大高崎、千葉黎明は、横浜(神奈川1位)、浦和実(埼玉1位)とともに来春のセンバツ出場に当確ランプをともした。 曇天の等々力球場に衝撃が走った。2回2死三塁。石垣が佐野日大の左打者・福田来貴(2年)に投じたフルカウントからの6球目だ。内角に外れ、四球となったボールは電光掲示板に「158キロ」と計測された。2年生史上最速だった済美・安楽智大や大船渡・佐々木朗希の157キロを1キロ更新。7回3失点で完投し、コールド勝ちでのセンバツ当確に貢献した剛腕は、その瞬間を「そんなに出てないと思うんですけど。まだまだ満足いってない。もっと上を目指してやっていきたい」と謙虚に振り返った。 予感はあった。アマ野球記者やスカウトの間では「スピードガンが甘い」と言われる同球場。27日の1回戦で登板はなかったが「初戦を見て、出やすいんだろうなと」。初回に自己最速を2キロ更新する156キロで度肝を抜くと、次の回には158キロを出した。「見てなくて、(仲間に)『58出てたぞ』って教えてもらいました。『多分出てないって』と言いました。MAXで53、54あたりかと」。浮かれた様子は一切なく、「来年までに160キロを投げたい。まだまだ上を目指せるかなと。高校3年のうちにはいきたい」と高い向上心をうかがわせた。 これも運命か。同戦は当初の予定ではサーティーフォー保土ケ谷球場の第2試合に組み込まれていたが、午後が雨天の予報のため、等々力球場で行われることが28日午前に急きょ決まった。そして導かれるように158キロを出した。日本ハムのスピードガンでは最速153キロ。坂本スカウトは「この時期にこれだけスピードが出るのは驚きしかない」と称賛。DeNAの稲嶺スカウトは「投手のスキルが成長している」と目を見張った。 全ては通過点。石垣は力を込めた。「神宮大会を目指して、関東大会優勝を目指してやっていこうと思います。高卒ドラフト1位で行きたい思いがあります」。胸に秘める上昇志向。元気があれば、160キロも出せる。(加藤 弘士) ◆石垣 元気(いしがき・げんき) ★生まれ 2007年8月16日、北海道・登別市生まれ。17歳 ★サイズ 178センチ、75キロ。右投両打 ★球歴 登別西小1年から「柏木ジュニアーズ」で野球を始め、西陵中では洞爺湖シニアに所属し、北海道選抜入り。健大高崎では1年春の県大会からベンチ入り。2年春のセンバツ優勝に貢献。夏から背番号1 ★道内12校から誘い 中3年時には道内12校から誘いも「施設が良くて、自分が成長できる環境だと思った」と健大高崎へ進学 ★目標の投手 山下舜平大(オリックス)。「ストレートもすごいんですが、一番カーブがすごい」。YouTubeで極意を学ぶ ★趣味 睡眠 ★特技 早寝早起き ★好きな芸能人 佐藤二朗 ★好物 肉料理 ★好きな言葉 「元気」 ★将来の夢 メジャーリーガー
報知新聞社