アルテタ監督の“はじまり”はPSG時代「『将来は監督になる』という気持ちに火をつけてくれた」
アーセナルを率いるミケル・アルテタ監督が30日、翌日に控えたチャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第2節パリ・サンジェルマン(PSG)戦の前日会見に出席。現役時代に在籍したPSGでの日々を振り返った。 【ハイライト動画】アーセナル、直近のレスター戦は劇的勝利 現在42歳のアルテタ監督は、現役時代にエヴァートンやアーセナルなどプレミアリーグを舞台に活躍した印象が強いが、元はバルセロナの育成組織“ラ・マシア”で育った選手だ。若き日のアルテタは、バルセロナで順調に各カテゴリーを踏破していったが、トップチームで出場機会を得ることはできず。2001年冬にはレンタル移籍を決断することとなるが、そのクラブがPSGだった。 アルテタ監督にとって、PSGは自らがトップチームデビューを果たすこととなった“はじまりのクラブ”。2000-01シーズン途中から翌シーズン終了時までフランスの地でプレーし、公式戦通算55試合の出場で5ゴール5アシストを記録。1年半にわたって活躍を続けた。 当時を振り返ったアルテタ監督は「プロとして初めての経験を積んだのがPSGだった。そこで過ごした時間は信じられないほど素晴らしいものだったし、そのすべてが大好きだったね。クラブとルイス・フェルナンデス(※当時の監督)への感謝を忘れたことはない。なぜなら、18歳の私を信じてくれたのは彼らだったからだ」と語り、PSGでの忘れ難き経験を次のような言葉で表現した。 「プロとしての第一歩を踏み出しただけでなく、規模の大きなクラブのトップチームでプレーする意義を学び、ヨーロッパで最も美しいと称される街で多くの経験を積むことができた。私という人間を助けてくれただけでなく、1人の選手として飛躍したいという私に手を差し伸べてくれたのは、当時のクラブであり監督でありチームメイトだ。そして、『将来は監督になる』という私の気持ちに火をつけてくれたのも、PSGで過ごした日々、当時のチームメイトとの経験が大きかった。あそこで過ごした日々は、私の中に永遠に刻まれている。私のキャリアにおいて、非常に重要な人物の多くがいたんだ」 「ロナウジーニョ、(ニコラ・)アネルカ、(ジェイ・ジェイ)オコチャ、(マウリシオ・)ポチェッティーノ、(ガブリエル・)エインセ…。チームメイトだった彼らは皆、信じられないようなクオリティを持った選手だったよ」 当時のアルテタは2001-02シーズン終了後、PSGへのレンタル移籍期間が満了を迎え、保有元のバルセロナからレンジャーズへ完全移籍。その後、レアル・ソシエダ、エヴァートンを渡り歩き、現在は監督として在籍するアーセナルに、選手として辿り着くのだった。アルテタ監督は「当時、私自身の意思は明確で、PSGに残りたかった。間違いなく幸せな日々だったからね」と残留を望んでいたことを明かしつつも、「しかしながら、私はバルセロナの選手であり、クラブ間で合意に至らなかった以上、私にできることはなにもなかったんだ。これがフットボールというものさ」と告白。当初の自身の希望とは異なる形で、キャリアを切り拓いていったことを明かした。 時は流れ、今回アルテタはアーセナルを率いる監督としての立場で、“古巣戦”に臨むこととなる。「彼らは本当にタフな相手だ。並外れた能力を持つ選手が揃っているし、ピッチ上ではすべての局面を支配しようとする。ボールを保持して試合を優位に進めるという明確な意思を持っていて、ボールを奪われたら、すぐに奪い返そうとする。本当にアグレッシブなスタイルで、我々の前に立ちはだかるだろう」と警戒した。 アルテタ監督にとっての古巣戦となる、アーセナルとPSGの一戦は、日本時間で10月2日の4時00分(1日の28時00分)にキックオフを迎える。
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