韓国の戒厳令宣布、建議した前国防相を内乱容疑などで逮捕…大統領への捜査は加速か
【ソウル=小池和樹】韓国の検察は10日、戒厳令の宣布を尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に建議した金龍顕(キムヨンヒョン)前国防相を内乱容疑などで正式逮捕した。ソウル中央地裁が同日夜、逮捕状の発付を認めた。検察は逮捕状請求時、尹氏が内乱の共謀関係にあった疑いがあると指摘しており、聯合ニュースは今後、尹氏に対する捜査が加速化すると伝えている。 【表】一目でわかる…戒厳令発令前後の主な動き
韓国メディアによると、検察は、逮捕状請求の際、尹氏を共謀関係にあったとした上で、首謀者と位置づけたという。
戒厳軍を指揮する戒厳司令官や、国会に投入された特殊部隊を指揮した特殊戦司令官らも共謀者とした。検察は金氏を内乱の首謀者に次ぐ「重要な任務に従事した者」と位置づけた。聯合ニュースは10日、尹氏が内乱の首謀者の疑いで捜査を受ける可能性が大きくなったと報じた。内乱の首謀者と認定されれば、死刑または無期懲役か無期の禁錮刑が科される。
戒厳令宣布をめぐる捜査は警察、政府高官らを対象とする「高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)」も進めている。国会では10日、野党が提出した常設特別検察官による捜査要求案が与党の一部議員も賛成して通過した。本来なら3捜査機関の資料を集約することになるが、尹氏が検察官を任命せず頓挫する可能性がある。