WILD BLUE DEBUT SHOWCASE[The First Light]レポート「どんな瞬間もお互いを支え合い、輝き合える存在でありますように」
アンコールで未発表曲、最後まで心はWILD BLUE
鈴は「今日は地方からも来てくださったり、近くに住んでる方もいらっしゃると思うんですけど、来ていただきありがとうございます。今日のために全員が頑張ってきたので、この日を迎えることができて心から嬉しいです。誕生日のサプライズもあって、たくさんの愛を届けてもらって。なんか泣きそう……。僕らはこれからスタートするので、たくさん僕たちについてきてください!STARRYのみなさん!」と挨拶。観客に「STARRY」と呼びかけられることを、人一倍喜んでいるように見える。 客席を見回しながら、手を振りながら、「今日という日に僕らのSHOWCASEを選んでくださって、ありがとうございます」と切り出したのは池田。「毎日のように練習して、その間もリアクションとかが見れずに、想像だけでやってきました。『喜んでくれるかな?』とか。各々不安があって、そして今日がきて。STARRYのみなさんの楽しんでる様子とか見て、安心しました。これからもアーティストとして日々精進して、ドームツアーとか世界とか、皆さんが見たこともない景色を僕たち絶対に見させるので。たくさん応援してくださると嬉しいです。本日は本当にありがとうございました!」と締めた。 泣き上戸であると明かした鈴川の挨拶には、やはり最初から水分が多かった。しかし「メンバーとも色々ありまして。やっとこの舞台に立てて、STARRYのみんなに会えて本当に嬉しいし、パフォーマンスもできて幸せです。見に来てくれた家族も友達もありがとう! 全員見えました。愛をいっぱいいただいてるなって思います。アーティストとして、音楽家として成長するので、絶対についてきてほしいです。いや、ついていきたいって思えるようなアーティストに、絶対なります。ありがとうございました!」と力強く、最後まで涙をこぼすことなく言い終えた。 「なんで僕たちがステージに立ててるかって、皆さんが来てくれて、僕たちを見てくれるからであって」と切り出したのは宮武。「ファンネームの通り、お互いが向き合ってるから、こんな良い時間を一緒に過ごせるので。まず、ありがとうですね。メンバーも、ありがとね。そんなに言っても恥ずかしいから……。STARRY、愛してるぜ!」と、普段は安売りしない愛情を、ここぞと放出した。 最後はリーダー・山下の挨拶。「本当に僕らにとって、ふさわしい旅の始まりだったなって思います。それはSTARRYのおかげです」と、WILD BLUEとしての自己紹介であり、門出にもなった今日を振り返ることから始めた。 「みんながいてくれて、俺はめっちゃ嬉しいです。これは自分事になってしまうんですけど、俳優活動も並行してやってて。アーティストをやりたいって、スタッフさん、マネージャーさん、事務所の方に強い思いをぶつけて。それからいま隣にいる、同じ夢を持ったメンバー4人が集まってくれて。一緒に一日ずつ過ごしていくうえで、これがアーティストなんだ、これがグループなんだって噛み締める毎日で。幸せな日々を過ごしてました、いまも楽しいです」と一言ずつ、慎重に言葉を選びながら語る山下を見ながら、その真剣さに引き寄せられるように少しずつ、客席の集中が高まっていく。 「最初はいろんな声がありました。グループか、とか、俳優のほうが、とか」と続ける山下の声に涙が滲む。その堪えきれなさには、言葉にした以上の悔しさや無念な思いが含まれているのだろう。「めちゃくちゃ悔しくて。そのときに、目の前にいたのがメンバーで。夢中になって歌って踊ってるメンバーを見て『俺はこれがやりたいんだ』ってあらためて思いました。みんなの顔を見て、この5人で皆さんに、そして世界に、俺らの音楽を届けたいと思いました。それが、今日また再確認できた。僕らのDEBUT SHOWCASEに来てくれたSTARRYの顔を見て、再確認できました。本当にありがとうございます」……ここまで語った山下の手は、自然と胸元にあてがわれていた。 「いま、めっちゃ幸せだってことを伝えたいです。これから5人で、WILD BLUEで、僕らの音楽を絶対に届けるんで、ついてきてくれたら嬉しいです」と締め括られた挨拶に続き、この日最後にパフォーマンスされたのは未発表曲である『Our Magic』。その後のアンコールでも『君がいたから』と題された未発表曲が披露された。 赤、淡い黄色、暖色系のライトが連綿と移り変わっていくなかで、時計の針の動きを模したような振り付けが映える。山下が「ちょっと大人でムーディーな、WILD BLUEにしては珍しい曲」と前置きしたように、この冬、クリスマスの雰囲気にマッチした、煌びやかでクラシカルな一曲に仕上がっている。贅沢に光がまぶされたような歌声とダンスに、最後の最後までSTARRYは酔いしれた。 今日が、この時間が、泡沫の夢で終わってしまうのが惜しい。そんな名残を惜しむように自然発生する、アンコールを求める声。導かれるように再登場したメンバーたちは、本公演のライブグッズを身につけている。ワンコーラスだけ、5本のスタンドマイクとともに歌われた『君がいたから』は、5人の天空を突き抜けるような高く透明な声が混じり合い、「あの日よりも、今日の傷を愛せるようになった」ことを、手を取り合って喜べるような慈愛に満ちたバラードだった。 「もう怖くない」と繰り返し歌うWILD BLUEは、最後にはスタンドからマイクを外して手に持ち、ステージ全面まで進んでSTARRYとの別れを惜しむ。これからの未来、毎年11月11日は、WILD BLUEの冒険が始まった記念日として、濃い歴史を積み重ねていくことになるだろう。今日にしか味わえない時間、そして感情を胸に、長く続く冒険の旅が始まった。 何があるかわからない。正解も答えもない世の中だ。それでも、広がる空と輝く星は時代を超えて不変である。「ありがとうございました!」と伝えきれない感謝を何度も届けてくれる彼らがいれば、空は広がり続け、星は輝き続ける。そう信じられる夜だった。 文:北村有 ■「WILD BLUE DEBUT SHOWCASE [The First Light]」セットリスト ♩PRE DEBUT DANCE ♩WILD BLUE (1st Digital Single) ~トーク1~ ♩Bubbles (3rd Digital Single) ♩First Light (2nd Digital Single) ~トーク2~ ♩Our Magic -ENCORE- ♩君がいたから ©︎YK MUSIC ENTERTAINMENT