日照時間の少ない冬は「気象病」に注意! 食べ物での対策はまぐろや豆腐【医師解説】
冬の気象病対策に取り入れたい食材
自律神経を整えるセロトニンをつくるには、トリプトファンを積極的に摂ることが有効です。 トリプトファンはたんぱく質を構成するアミノ酸の一種で、豚ロースなどの肉類、木綿豆腐や豆乳などの大豆製品などに多く含まれています。冬に旬を迎えるものでは、さばやまぐろなどもトリプトファンを多く含む食材です。 トリプトファンは熱に弱いため、生で食べるか、食材を加熱する場合はさっと焼く、軽く茹でるなどの短時間加熱での調理がおすすめです。マグロの刺身や豆腐の味噌汁などを日々の生活に取り入れましょう。
冬の気象病には漢方薬も役立つ
漢方医学では、気象病は湿度の変化により体内の水分に偏りが生じて起こると考えます。そのため、冬の気象病を改善するには「余分な水分を排出して自律神経の乱れを整える」「水分の滞りを改善する」といった効果がある漢方薬を選びます。 ◆おすすめの漢方薬 ・五苓散(ごれいさん) 水分代謝を高めて体に溜まった余分な水分を排出することで、自律神経の乱れを整え、気圧の変化による頭痛やめまいに働きかけます。天候などで体調が悪化しやすい人や、めまいやむくみが気になる人に向いています。 ・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう) 胃腸の水分代謝をよくして水分の滞りを改善し、「気(エネルギー)」の流れを整えます。立ちくらみやめまい、耳鳴りなどが気になる人に向いています。 ◆漢方薬を始める際の注意点 漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。 ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。 ◆教えてくれたのは:医師・木村 眞樹子さん きむら・まきこ。医師。都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。 自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。 症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。