「誘拐婚」取り締まり強化へ カザフスタン
【AFP=時事】中央アジアのカザフスタンで、女性を誘拐して結婚を強制する「誘拐婚」の取り締まりが厳格化される見通しだ。与党議員が5日、AFPに明らかにした。 【写真】キルギスの「誘拐婚殺人事件」、被告に禁錮20年 当局によると、女性の権利をめぐってはいくらかの進展が見られるものの、誘拐婚の件数は増加している。この慣行は、人権団体に非難されている。 与党議員のムラト・アベノフ氏はAFPに対し、「残念ながら、誘拐婚の件数が増加している」とし、誘拐婚を取り締まる法案を4日に議会に提出し、議長の支持を取り付けたと述べた。 現地メディアによると、アベノフ氏は誘拐婚を「まん延する病気」になぞらえ、カザフ社会で「最も差し迫った問題の一つ」と指摘。また、既存の法的枠組みでは誘拐婚に効果的な対応ができないため、「裁判に持ち込まれるケースはごくわずか」であることも説明した。 当局は、信頼できる統計がないことから、誘拐婚がどれだけまん延しているかを示すことができないと認めた。アベノフ氏によると、テュルキスタン州では今年、誘拐婚が18件発生している。 カザフでは昨年、元議員が妻を殺害する事件が発生し、女性の権利をめぐる問題が注目された。 事件はカザフ社会を揺るがした。カシムジョマルト・トカエフ大統領はいくつかの法律を可決させ、女性の権利保護を強化した。 トカエフ氏は今年、「いわゆる伝統を隠れみのにして、誘拐婚の慣行を押し付けようとしてくる」人がいるが、それは「正当化できない」との考えを示していた。【翻訳編集】 AFPBB News