「仕事を休みたいので診断書をください」「朝、会社に行くのがつらい」で休めてしまう…《うつ病休職者》の大多数は深刻ではなかった、という「衝撃すぎる実態」
うつ病はストレスで起こるものではない
一般的にうつ病はストレスによって起こるものだと理解されているが、中嶋氏は「実はそうではない」と指摘する。 「『ストレスによって起こる』と因果関係をはっきり説明できるものは、うつ病ではなく、抑うつ反応です。うつ病は、専門医が診ればストレスでは説明できない点が必ずあります。ストレスは、発症のきっかけや悪化要因として関係しているにすぎない。逆に言えば、ストレスで説明がつかない点があることがうつ病であるための必要条件なのです。抑うつ反応は、誰もが時と場合によって起こりうる正常な反応です」 厚生労働省は、従業員のメンタルヘルスの不調は大きな課題と捉えて、ストレスチェックを全企業に課す方針を決めた。 しかし、単に診断基準が緩くなったせいで、うつ病などの精神疾患の人が増えているのであれば、ストレスチェックを義務化したところで本質的な解決策にはならないどころか、本来解決すべき問題をおおい隠す手助けをすることになるかもしれない。 個人のメンタルの問題としてだけでなく、職場環境などの労務問題として考えることも必要ではないだろうか。 ……・・ 【さらに読む】「大多数の精神科医は投薬の専門家に過ぎず、精神療法は独学」...和田秀樹氏も驚愕した「日本の心療内科」の「ヤバすぎる実態」
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