スキンケアにも「時短」商品 働く女性狙い続々投入
料理や掃除などで「時短」が注目される中、女性の美容にかける手間も「時短したい」という動きが広がっています。これに合わせて美容メーカーは、入浴中に泡で保湿パックする商品や、寝起きの肌に60秒間貼るだけで洗顔+スキンケアなどができる商品を続々投入、好調な売れ行きを示しているといいます。背景には働きながら子育てをする20~40代の女性が増えたことで、翌日の仕事の準備に加え、SNSのチェックや趣味の時間も充実させたいという「忙しい女性」が美容も効率を重視したいという意識があるようです。
●「効率を重視」派が増加
博報堂の調査によると、「疲れていても基本のスキンケアは欠かさない」という20~30代女性は2012年には全体の約3分の1に達していましたが、2016年には3割を切っており、逆に「効率を重視してスキンケアする」という女性は右肩上がりで伸びています。こうした女性の動きを受け、各社は短い時間でスキンケアできるものに力を入れています。
資生堂は9月、入浴時に顔に泡を塗り、約3分間待ってから洗うだけでスキンケアできる「専科パーフェクトホイップマスク」を発売しました。泡タイプで肌に密着するため、塗っている間も湯船に浸かったり、身体も洗えたりなど「ながら」使用できるのが特徴。浴室環境は蒸気も多く、保湿効果が高いので「うるおいのあるなめらかな肌に仕上げる」という「お風呂の中の保湿効果」に着目した商品です。容量は150ミリリットル、約75回分使用可能。オープン価格。 同社では「日本の女性は最も忙しい人と言ってもよいが、お風呂に使う時間は以前とあまり変わっていない。入浴は毎日で、お風呂で使えるケア商品の要望が多かった。泡タイプだとお子さんと入浴していても使いやすい。予想を上回る反響で、年末の寒い時期に向け、さらに伸びると期待している」と話し、今後は入浴剤などの商品と連動した販売展開を検討しています。 スタイリングライフ・ホールディングスBCL カンパニー(東京)が2015年に投入した朝専用のシートマスク「サボリーノ 目ざまシート」もヒット商品の一つ。寝起きにシートを取り出し、顔に60秒間貼るだけで洗顔+スキンケア+保湿下地が一枚で完了する手軽さがうけています。32枚入り、1300円(税抜)。 「(スキンケアを)さぼりたいけど、きれいになりたいというのが女性の本音。これを商品化した。シートマスクは夜使う物というイメージだったが、朝シートは新しい生活習慣になってきているのでは」(同社)といい、旅行用タイプなど関連商品も増えているといいます。 このほか、塗ったまま寝られるパックや、1アイテムで化粧水、美容液、乳液クリームなど6役が期待できる「オールインワン商品」など、時短を意識した商品は伸びが期待できる分野として各社がしのぎを削っています。