【毎日書評】安さだけじゃないサイゼリヤ、当たり前の品質をどこでも提供できる秘策
チェーン店に飛び抜けた人材はいらない
イタリアンの個人店では、個性的な盛りつけなどが評価されたりします。しかしサイゼリヤにおいて、それは評価されないそう。その人だけ上手にできても、別の店ではできないかもしれない。そもそも突出した個性は求められていないからです。 突出したサービスというのは、プラスになるどころか、トータルではマイナスになる。必ず「あの店ではこうやってくれたのに、この店ではやってくれない」という不満につながるからです。他店舗展開しているチェーン店では、「当たり前のことを当たり前にできる」ように、ベースラインをそろえることのほうが、はるかに重要です。(133ページより) 味のレベルにしても同じで、チェーン店の場合、ひとつの店舗でしか出せないような際立った特徴はかえってマイナスになってしまうということ。 「どの店でも同じ味を提供できる」という再現性や安定性は、「当たり前品質」そのものです。(134~135ページより) そういう意味でチェーン店が目指すべきは「当たり前品質」であり、だからこそサイゼリヤは広く支持されるわけです。(132ページより) 著者は「サイゼリヤには、世の中の一般的な会社とは違う、不思議なところがたくさんあります」と記していますが、その秘密を解き明かした本書を読んでみれば、他社にはない唯一無二のビジネススタイルを学べるはず。参考にしてみる価値は、大いにあると思います。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン
印南敦史