65歳以上の無職夫婦が生活するためには「1ヵ月いくらかかる?」家計収支・貯蓄事情をチェック
10月は年金支給月でした。筆者は普段、ファイナンシャルアドバイザーとして多くのお客様からご相談を受けています。 ◆【棒グラフ】65歳以上の生活費や貯蓄額のグラフを図表でチェック 資産運用のご相談をいただくきっかけには、「老後のためにいくら貯めるべきか」「今から何を始めたら良いか」というご不安が多くあります。また、「新NISAなどで資産形成を今からでも始めた方がいいのではないか」という話題が増えている今、ご自身の将来について不安とともに行動を起こしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。 では、実際に老後に必要な貯蓄額はいくらなのでしょうか? 必要な金額は個々人で異なるものの、今後の財政状況により変動する可能性もあり、まず現行の年金制度を理解し、現状の資産と将来の計画を見直すことが第一歩です。 本記事では、現在の65歳以上の無職夫婦世帯の生活状況に焦点を当て、彼らがどのような生活を送っているのかを確認していきます。ご自身の生活水準や収支と比較し、将来に向けた一歩を考えるための参考にしてみてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【65歳以上・無職夫婦世帯】平均貯蓄額はどのくらい?
●2018年から2023年までの平均貯蓄額の推移 ・2018年:2233万円 ・2019年:2218万円 ・2020年:2292万円 ・2021年:2342万円 ・2022年:2359万円 ・2023年:2504万円 2018年からのグラフを見てみると、65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額は増加傾向にあることがわかります。2023年においては、前年からの増加率が大きく、6.1%(145万円)アップして2504万円となっています。 次に、65歳以上世帯が保有している資産について、具体的な内訳や推移を見ていきましょう。 ●保有資産の内訳 ・有価証券:480万円 ・生命保険など:413万円 ・定期性預貯金*:846万円 ・通貨性預貯金**:754万円 ・金融機関外:11万円 保有資産のなかで、とくに保有額が大きいのが定期性預貯金(846万円)と通貨性預貯金(754万円)です。 ただし、定期性預貯金の保有額は年々減少しており、2018年と比較すると125万円少なくなっています。一方、通貨性預貯金の保有額は徐々に増加し、2018年との比較では249万円増えていることがわかります。 定期性預貯金と通貨性預貯金の合計自体は年々増えており、リスクの小さい資産を好む傾向にある日本人の特徴を表しているとも言えるでしょう。 一方、有価証券の残高は480万円となっており、前年比で80万円増加しています。毎年保有額が増加している要因としては、NISAやiDeCoなどの非課税制度が整えられたこと、長引く低金利の影響で投資商品へ資金が移動したことなどが考えられます。 *ゆうちょ銀行の定額貯金や定期貯金,銀行や信用金庫などの金融機関の各種定期預金,定期積金などをさす **ゆうちょ銀行の通常貯金,銀行や信用金庫などの金融機関の普通預金,当座預金,通知預金,納税準備預金などをさす