【3150×LUSHBOMU】“新星”横山葵海がデビュー2戦目で東洋ランカー撃破 世界戦差し置き異例のメインイベント抜擢
ダウン奪われるも僅差の判定制す
ボクシング興行「3150×LUSHBOMU vol.3」が 21日、ツインメッセ静岡で行われ、メインイベントではデビュー2戦目の23歳・横山葵海(ワタナベ)が、スーパーフライ級8回戦で東洋太平洋同級5位のデンマーク・ケビド(フィリピン)に3-0(76-75、76-75、78-73)の判定勝ちを収めた。横山はデビュー戦目での東洋ランク入りを確実にした。 【写真】“復活”果たした但馬ミツロは試合後亀田興毅ファウンダー、ラウンドガールと記念撮影 デビュー戦目で異例のメインイベンターに抜てきされた横山。序盤からハイレベルな技術戦を展開した。1ラウンド、サウスポー・ケビドに対して、ボディジャブ、ボディストレートを打ち込み、試合を優勢に進める。 2ラウンドにはケビドの変則の右フックをヒットさせて対抗。迎えた3回には横山がロープ際でのコンビネーションで攻め込み、ノーモーションの右ストレート、左ボディを立て続けにヒット。中盤は一進一退の攻防が続いたが、ロープ際で再三見せ場を作った横山が左ボディ、左ボディアッパーでダメージを与える。 横山が優勢な展開で迎えた7回、横山がスウェーバックでケビドのパンチを交わそうとしてバランスを崩したところに、ケビドの一撃でダウンを奪われた。最終回は上下にパンチを散らす横山に対して、ケビドがノーモーションで放つ左ストレートをヒット。試合は判定に委ねられ、ケビドに後半の反撃を許したものの、横山が3-0で僅差の判定をものにした。 セミファイナルは日本ヘビー級王者の但馬ミツロ(亀田)は今年3月のプロ初敗北からの再起戦。元世界ランカーのロスメン・ブリトー(ベネズエラ)と対戦した。“肉体改造”を敢行し、持ち前のスピードに加え、パワーを身に着けた但馬は、1ラウンド開始直後こそ、相手のパンチを確認するようにガードの上からパンチを受けていたものの、踏み込んでのボディジャブがヒットし始めると、193センチの長身・ブリトーの懐への入り際、左ボディをヒット。相手の表情が歪んだところを見逃さなかった但馬は左右のボディを連打しダウンを演出。ダウン後に試合が再開するも、但馬が右のオーバーハンドで再びダウンを奪う。ここでレフェリーがカウントの途中で試合をストップ。但馬が9か月ぶりの再起戦をTKO勝利で飾った。 メキシコ人同士の世界戦、IBF世界スーパーフライ級王座決定戦として第1試合に行われた同級3位ウィリバルド・ガルシア(メキシコ)vs4位レネ・カリスト(メキシコ)の一戦は1ラウンドからメキシカンらしい打ち合いに。被弾をすることを構わずに左右のフックを振り回すガルシアに対し、バックステップを踏みながらカウンターを合わせるカリスト。両者が揉み合うクリンチが多い展開ながらも、クリーンヒットを続けるガルシアに対して、1発のダメージングブローを放つカリスト。試合途中で両者ともに偶然のバッティングで出血するアクシデントがありながらも、一進一退の攻防は続いた。終盤に入っても手数が止まらないガルシアだったが、カリストの見た目の良いカウンターの右を被弾してしまう。試合は最終回まで両者が意地を見せてパンチを出し続けるも、勝敗は判定となり、判定1-1のドロー決着(118-110,112-116,114-114)。この結果、IBFスーパーフライ級の王座は空位のままとなった。 その他のアンダーカードでは、亀田京之介(TMK)が左ボディカウンター1発でKO勝利。中川抹茶(スパイダー根本)は元キックボクシング世界王者のロッキー・オグデン(オーストラリア)と好勝負の末、2-1での判定をものにする等、会場を熱くさせる好試合が続いた。
ENCOUNT編集部