“風呂キャンセル界隈”だった男性の過去。いじめを機にうつが悪化、2か月風呂に入らなかった結果
“風呂キャンセル界隈”という言葉が注目を集めている。単純に面倒で「入らない」という人がいる一方で、ワケあって「入れない」という人もいる。今回は“風呂キャン”せざるを得なくなった人々の実態に迫った。 ⇒【写真】コンカフェで働く現在は、メイクを落としたくてマメに風呂に入れていると話す
職場の飲食店でいじめに遭い、うつが悪化
うつ系インフルエンサーのダコ地底さん(25歳)は元来のうつ病と発達障害が影響し、“風呂キャンセル”しがちな半生を送ってきた。 「最も入れない期間が続いたのは、職場の飲食店でいじめに遭い、うつが悪化した22歳のとき。首吊りなどの自殺未遂を繰り返した末に実家に戻ったものの、無気力感から2か月間も風呂キャンしてました。3日目から痒みが止まらず、垢が溜まった指の爪先にはウンコ臭がこびりついてたんですが、1か月もすると体が順応し、痒みや臭いを感じなくなってました」
同僚に「臭くない?」と指摘されたことも…
少し回復してから雑貨店でのバイトを試みたものの、発達障害の不注意さゆえにミスが重なり、うつ病がぶり返したという。 「1週間風呂キャンしたまま働いてしまい、同僚に『臭くない?』と指摘されたのは堪えました。コンカフェで働く現在は、メイクを落としたくてマメに風呂に入れてますが、いまだに気分が落ちると1日くらいは風呂キャンしてしまいます」
「『人としてヤバい』自責の念がきつかった」
一方、双極性障害のYouTuber・ぺぇすけさんの風呂キャンは、超過労働を強いられていた24歳のときから始まった。 「うつ症状が出て、2週間布団から出られなくなりました。頭皮が脂まみれになったり、ヒゲが首まで伸びて痛かったりもしたけど、何よりきつかったのは『風呂に入れないのは人としてヤバい』という自責の念。無理をして一度入ってみたんですが、反動で症状はさらに悪化し、次は3週間も寝たきりに⋯⋯」
「『入れないとか噓だろ』なんて声が届くのも残念です」
その後、一定の周期で躁鬱の波が来るようになり、定期的に1か月ほど風呂に入れなくなる生活が7年続いているという。 「うつ期には必ず終わりが来ると身をもって知っているのは多少の救いです。でも、何年たっても風呂に入れない苦痛に慣れることはない。男性で風呂キャンを発信してる人が少ないためか、『入れないとか噓だろ』なんて声が届くのも残念です」 病気に起因する風呂キャンのツラさに男女差などないのだ。