早大・小沢周平が目指すキャプテン像 チームを東京六大学100年の節目の主役に
【球界ここだけの話】2025年を迎え、箱根駅伝やラグビーなど、〝新年の風物詩〟ともいえる大学スポーツが、今年もお茶の間を盛り上げた。4年間、積み上げてきた努力の結晶をぶつけ合って熱く戦う学生たちの姿に心を打たれ、新たな一年の始まりを感じた人もいるだろう。 競技は違えど、同世代が輝く姿を見て刺激を受けた一人が、東京六大学野球のリーグ戦で3季連続優勝を目指す早大の小沢周平内野手(3年)=群馬・健大高崎高=である。早大は競争部が箱根駅伝で総合4位に入り、ラグビー蹴球部が全日本大学選手権の決勝(13日)へ。小沢は「(早大は)全国トップレベルの選手がそろっている。(他競技の選手と)授業で一緒にもなるので、どういう練習をしているかどんどん聞いてみたい」と目を輝かせた。 最終学年となる今年は主将を担うことが決まっている。強い思いを胸に新年を迎え、「4年生が活躍するチーム、4年生で勝つチームにしたい」と思い描く。2季連続優勝を果たした昨年のチームを頭に浮かべ「メンバー外の4年生もチームのために頑張る姿を見てきた」と理由を明かす。 理想のチームを築くべく目指すのが、前主将の印出太一捕手(4年)を参考にしつつ、自身のカラーを出すキャプテン。「一番長く(一緒に)いた」という先輩は、「私生活でも妥協せずにチームのことを考えていた」と、プレーでも言葉でも引っ張りキャプテンシーを発揮していた。「一番いいものを間近で見てきた。それを超さないと日本一にはなれない。印出さんのやってきたことを引き継ぎつつ、自分は仲間たちと頑張ると言っている。皆の力を借りながら自分でも引っ張っていけるように」と語った。 〝主将論〟を勉強するプランもある。ラグビー蹴球部の主将を務める佐藤健次(4年)とは、印出が親交があった縁で、言葉を交わす間柄。「キャプテンに決まってからはお会いしていないので、大会が終わったらいろいろ聞いてみたい」。チームを引っ張る上で大切にすることなどを直接尋ね、吸収していく。 年末年始は地元の神奈川へ帰省。周囲からは「キャプテン、頑張れ。あまり背負い過ぎずに、皆で頑張れば大丈夫」と声をかけられた。今年は東京六大学野球連盟創設100年の記念の年。「100年という大事なときにキャプテンに任命されたので、優勝への思いは強い。自分は今まで以上に頑張らないといけない」。東京六大学で最多48度の優勝を誇る伝統校の第115代主将。その重みを背負い、チームをメモリアルイヤーの主役に導く。(武田千怜)