実績で青柳を開幕投手にした。選手層の厚みも整ってきたよ。あとは気になる巨人との開幕戦。いい形で勝てたら、いい影響になる【岡田彰布のそらそうよ】
青柳の底力に期待している
開幕投手を任せた青柳。その実績を持ってしっかりと投げてくれると信じてるよ
いよいよ来週末、3月29日から2024年のペナントレースが始まる。阪神は球団史上初の「連覇」を目指す。オープン戦9連敗に、周囲は不安を感じていたが、指揮官はまったく意に介していなかった。それ以上に連覇に向けての自信は揺るぎないようだ。開幕直前の思いを大いに語ってもらった。 写真=BBM 週ベ読者の皆さん、約1カ月のご無沙汰です。阪神タイガース監督の岡田彰布です。前回の「そらそうよ」は沖縄キャンプ中に発信しましたが、現在はオープン戦の終盤。このコラムを読んでもらっているころは、開幕直前、カウントダウンに入った時期。いよいよ……という緊張感にあふれた状況やと思います。 今回はまず「開幕投手」について。実は昨年のリーグ優勝、日本一のあとに行われた球団納会やったと思うが、「来年の開幕投手は」とオレは匂わせ、そのままひとりの投手の名前を明かそうか、と思ったけど、やっぱり伏せたままにした。そして「来年の激励会で明かします」とした。 その激励会が3月に開かれ、宣言どおりに2024年シーズンの開幕は「青柳(青柳晃洋)でいく」と伝えた。中には「オオッ」という驚きの声もあったけど、オレはごくごく普通、シンプルな人選やと考えている。 スポーツ新聞をはじめ、メディアは開幕投手の本命は「村上(村上頌樹)」と考えていたようだ。もちろん、オレの頭の中に村上の名前はあったわ。昨年の活躍はホンマ、素晴らしかったし、1年を通じて実に安定した内容を示してくれた。 新人王にMVP。文句なしの中身やったし、巨人戦にも強い。そらマスコミが村上を推すのも分かる。でも、な、オレの基本的な考え方は違ったな。確かに青柳は昨年、苦しんだわ。本来のピッチングができずに二軍も経験した。それでも最後は意地というのかな、踏ん張ったし、日本シリーズの7戦目に先発で「大きな」仕事をこなしてくれた。それはこれまでの「実績」に裏打ちされたものなのよ。 オレはその実績を重視する。それは何年もかけて築いてきたものであり、それを軽く見ることはできない。そら村上はいいピッチャーよ。開幕投手にふさわしいかもしれない。でも、やはり・・・
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週刊ベースボール