『ゴジラ-1.0』はなぜ怖いのか 山崎貴監督「ディテールの徹底追求、錯覚生む」
■山崎貴さんのスーツ「私流」
公の場に登場するときには、ダークな色合いのスーツやセットアップを着ていることが多い山崎さん。本人は「ファッションにあまりこだわりがないので、無難な色を選択しがちなんでしょう」と分析していた。 今回、英国調のデザインで仕立てたスーツも生地はダークネイビーを選択。極上の原毛ならではの上品な光沢をたたえ、シャドーストライプと相まって大変豊かな表情を見せる生地だ。 「この生地はいいですね。良いCGは、ひとつの物体の中に様々なテクスチャーがあるもの。例えばグレーの物体だとしたら、テカテカしたグレーからマットなグレーまで、様々なスペキュラー(主に3Dグラフィックにおける鏡面反射光)の変化があると、人は『これ、とてもよくできたCGだな』と思うものなのです。この生地はそれに近い感じ。だから本能的にこの生地を選んだんでしょうね」 シャツやタイもスーツの色にそろえてネイビー系に。ともに光沢がある生地なので、ワントーンでまとめても華やかに見える。これもスペキュラーの違いがあるからこそだと山崎さん。 「スーツのシルエットやフィッティングにも大満足です。ボクは細身のスーツが好きなのですが、体に気持ちよくピタッとフィットしながら、まったく窮屈なところがない。フォーマルな雰囲気でありながら、実に軽く着用できるところも大変気に入りました。次に何かの制作発表会見があったら、これを着て登場しようかな(笑)」
■スキャバルのスーツ
世界有数の名門マーチャント(生地商社)にして、現在ではトータルファッションブランドとしてもウェルドレッサーに支持されるスキャバルのパーソナルオーダースーツ。使用した生地は「SAVILE ROW CLASSICS」コレクションからセレクト。最高級原毛による2本の糸を撚り合わせ、英・ヨークシャー州にある自社工場で伝統的なミディアムウエートで織り上げており、滑らかなタッチと上品な艶を特徴としながら、耐久性も高い。これを薄い肩パッドを使用したナチュラルショルダーのデザインに載せ、軽快かつ柔らかな着用感のスーツに仕立てている。スーツ28万6000円~(オーダー価格、納期約5週間)、シャツ3万5200円、ネクタイ3万3000円 以上スキャバル(スキャバル ジャパン 06-6232-2755)