球界大御所がエンゼルス大谷翔平に警鐘「二刀流無理。選手生命縮める」
大谷翔平(23)のエンゼルス入団が決定、アナハイムのエンゼル・スタジアム前に作られた特設ステージで公開で行われた会見では、約1000人のファンが集まり「オオタニ!」コールを送った。 大谷は、全30球団へ質問状を送り、その答えを一次の書類選考として、7球団と面談を行い、エンゼルスに絞った。労使協定の25歳ルールにかかる大谷はマイナー契約しか結べず契約金に縛りがあるため、選考条件は、二刀流の可能性や環境に絞られた。 エンゼルスは交渉段階で具体的な二刀流プランを提示した。野手起用は外野はなくDH。投手陣はメジャーでも異例のローテー6人制を採用して、中5日の間隔を作り大谷の二刀流可能の環境を作る。 エプラーGMは、「先発、休養、DH、休養、休養、先発、あるいは先発、休養、DH、休養、DH、休養、先発」と具体的に中4、中5の起用法を披露。また故障のリスクを減らすため、特別な医療スタッフを揃えて大谷をフォローする方針。ソーシア監督も「二刀流で起用するつもりだ」と断言した。 大谷も会見で「ファンと共に成長していきたい」と、メジャーでも異例の挑戦となる二刀流を宣言。「初勝利か、初本塁打かどちらを先に達成したいか」と聞かれ「どちらも楽しみにしていますし、最高なのはどちらも一緒の試合でできること」と、日ハム時代にも、特例で行ったことがある登板日にDHを解除して打席に入るリアル二刀流にも意欲があることも明らかにした。 全米では早くも二刀流の成否に注目が集まっているが、ロッテでGM経験もある元ヤクルト、西武監督の広岡達朗氏は、「メジャーでの二刀流は無理」と一刀両断にした。 「今年は怪我ばかりでろくにプレーをしなかった。まだ23歳という若さで、これだけ怪我が多い理由は、二刀流にあることは間違いない。本当のトレーニングをしておらず、まだ体が出来上がっていない段階で二刀流を行ったため、想像以上に肉体に負担がかかっているのだろう。二刀流のツケだ。メジャーに行き、なおさら厳しい世界で二刀流をやれば選手生命を縮めることにもなりかねない。それにメジャーで、そういうことを契約に守られてやると、仕事を奪われるバッターが怒り、不協和音が生まれてしまう。まだ結果が出ればいいが、結果が伴なわなければ、チームの内外にも影響が出るだろう」 大谷は、今季キャンプから右足かかとの痛みで出遅れ、WBCを欠場。打者専任で開幕を迎えたが、また足を痛めて戦列を離れた。十分な試運転もなく投手としては、5試合に先発しただけで、3勝2敗の成績に終わった。今オフに右足かかとの手術をした経緯などを考慮して、米国内でも「コンディション的に無理ではないか」という意見も出ている。