球界大御所が阪神の新型コロナ騒動と矢野監督”逆ギレ抗議”を「阪神は何をやってんだ!」とぶった斬る
「阪神の球団フロント、そして現場の監督以下首脳陣は、二度にもわたる管理の甘さを自戒して猛省しなければならない」 広岡氏は、そう警鐘を鳴らしていたが、阪神は26日のヤクルト戦でまた騒動を起こした。 8回のイニング間に矢野監督が選手交代を告げる際に、審判団から注意を受け、それに対し血相を変えて猛抗議。井上打撃コーチ、清水ヘッドコーチを交えて約5分間にわたって口論を続けたのだ。 各社の報道によるとセ・リーグがアグリーメントで禁止している「外部からの情報伝達」に抵触すると疑われるような阪神の行為が発端だったという。 7回二死一塁から代打・高山俊のショートへのフライを西浦直亨が落球。一塁から小幡竜平が一気にホームを狙いクロスプレーとなったが、「アウト」とジャッジされ矢野監督は「リクエスト」を求めた。そのリプレー検証を待つ間に、ネット裏の記者が次の打者の近本光司にジェスチャーか何かの動きで「セーフ」であることを示したようで、そのコンタクト内容を近本が、今度は井上打撃コーチに伝えたという。 その一連の動きを見ていた審判が、矢野監督が交代を告げにきたタイミングで、ルールで禁止している「外部からの情報伝達」に抵触する疑わしい行為だと注意したのだ。このセのアグリーメントは、”スパイ行為”の防止を前提としたもので、今回の阪神の行為は、それとはかけ離れたものではあったが、ルール上は抵触と疑われても仕方のないものだった。 。 「なんでそんなことせなあかんねん!」と怒鳴る矢野監督の音声が、テレビ中継で拾われていたが、各社の報道によると、矢野監督は、「試合に影響を与える外部情報ではない」、「試合中ではなく試合後に注意すべき」などの主張を審判にしたようだ。 広岡氏は、「そもそも疑念を持たれるような行動を起こすことが間違っている」と、このヤクルト戦での騒動にもあきれかえった。
広岡氏は、現役監督時代から”スパイ行為”に嫌悪感を示しており、「スパイ行為を疑われるような行為は絶対にしてはダメだ」と長く訴えてきた。 今回、ネット裏の記者と近本の間であったとされる“コンタクト“は、スパイ行為でも、試合になんらかの影響を与える行為でもなく、もちろん「アウト」と裁定した審判のジャッジにも関係はなかった。 だが、外部からの情報伝達行為を禁止しているルールの「精神」に反した”軽率な行為”ではある。試合中にたとえ相手でメディアであっても試合中に取材以外で接点を持つこと自体がおかしいのだ。 またその自チームの“軽率な行為“を指摘されたことに対し、見当違いの論点で“逆ギレ“した矢野監督の行動も、広岡氏は「指揮官が取るべき姿ではない」と批判した。 「阪神はいったい何をやっているんだ」 “球界大御所“が嘆くのも無理はない。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)