グラボはもう不要? グラボなしPCが既に「ゲーミングPC」レベルに進化しているかも
GPUを内蔵した「CPU(APU)」の性能が大幅に上昇傾向
「グラフィックボードを搭載したパソコン」が手が届きづらい一因には、CPUとは別にGPUの用意が必要であり、なおかつGPUを冷却するための装置も必要となるためです。 逆に言えば、冒頭でも述べた「CPUに標準で搭載されているGPU」が、ゲーミングパソコンなどに搭載されるGPUレベルに高性能なものとなれば、多くの方にとって「パソコンでできること」自体が極めて大きく増えるでしょう。 そしてGPUを内蔵した「CPU(APU)」の性能は大幅に上昇傾向です。その象徴的なCPU(APU)が、Ryzen 8000Gシリーズです。 ■Ryzen 8000Gシリーズは「GeForce GTX 1650」に匹敵
AMDの最新APUであるRyzen 8000Gシリーズは、その内蔵GPUの性能が大きな注目を集めています。特に、上位モデルであるRyzen 7 8700Gは、従来のエントリークラスの独立GPUに匹敵する性能を持つと言われています。具体的には、NVIDIAのGeForce GTX 1650に近い性能を発揮すると評価されており、これは数年前まで中級ゲーミングPCで使用されていたグラボのレベルに相当します。 たとえば「VALORANT」や「League of Legends」などのeスポーツタイトルでは、高フレームレートでのプレイが可能です。また、「Fortnite」や「Apex Legends」といった比較的要求の高いゲームでも、設定を調整することで快適にプレイできるレベルの性能を持っています。 ■メモリ性能と「AFMF」にかなり性能が左右される点は注意 もっともCPU及び内蔵GPUの性能が十分であっても、メモリ性能が不足しているとCPUの性能は引き出せません。仮にRyzen 8000Gシリーズを用いて自作PCを組む場合は、たとえば「DDR5-6000」など従来製品と比べて低レイテンシで高速なメモリを利用することもおすすめします。 またAMDが実用的なゲーム性能を有すると、特にアピールしているのは8000Gシリーズの中でも「Ryzen 7 8700G」です。「実用的なゲーム性能」を期待して8000Gシリーズを入手するならば、シリーズの中で購入すべきは「Ryzen 7 8700G」一択です。下位モデルを購入する必要性は薄いでしょう。 また8000Gシリーズを使用して、ゲームを楽しむ場合は同じくAMDが発表している技術「AFMF」を利用してフレームレートを稼ぐこともほぼ前提となるでしょう。しかし同技術は「相性が良いタイトル」と「そうではないタイトル」も存在します。つまり「グラボなしのPC」でもある程度実用的なゲーム性能を実現できるようになったものの「グラボありのPCより快適」とは言えないことにはご注意ください。