“空を飛べるクルマ”「ASKA A5」が350回以上の無人飛行と800kmの地上走行に成功
「ASKA A5」は真の意味での空飛ぶクルマ
2024年8月15日(現地時間)、日本人創業のスタートアップである米国ASKA社は、陸空両用車「ASKA A5」のプロトタイプモデルが、350回以上の無人係留飛行試験と800km以上の地上走行試験に成功したと発表した。 【写真】クルマになったときの「ASKA A5」を見る 米国カリフォルニア州に本拠地を置くASKA社は、名古屋出身の日本人が創業したスタートアップ。現在開発を進めるeVTOL「ASKA A5」は、米国自動車管理局(DMV)からナンバープレートを取得した公道走行可能なモビリティで、2023年7月には連邦航空局(FAA)による特別耐空証明を受けているため、本当の意味での“空飛ぶクルマ”として世界中から注目を集めている。 スペックを詳しく見てみると、4人乗りで飛行航続距離は250マイル(約400km)、最高飛行速度は時速150マイル(約240km/h)とeVTOLとしては比較的長い航続距離を有しているが、これはバッテリーに加えてガソリンエンジン発電機(レンジエクステンダー機構)を搭載したことで航続距離を伸ばしているためである。 また、充電に関しては、既存のEV充電設備に対応しており、自宅での充電、あるいはEV充電ステーションでの充電も可能なほか、レンジエクステンダー機構もプレミアムガソリンを使用するガソリンエンジンであるため、駆動に関わるエネルギー源はすべて、既存の、しかも身の回りにある設備でまかなえることになる。 さらに、地上走行時は翼を折りたたむことで公道走行可能な大きさまでコンパクトになり、駆動もインホイールモーターでタイヤを回転させるため、普通のクルマとしての利用も可能だ。 ちなみに、一台(一機)あたりの価格は78万9000ドル(約1億1500万円)で、2026年の販売開始を目指しているという。公道走行可能で、自宅保管可能かつ充電・給油が近所でできるクルマとしての利便性と、航続距離400kmの4人乗りeVTOLというヘリコプターのような性能を兼ね備えた陸空両用モビリティであることを考えると、他の空飛ぶクルマやヘリコプターと比べても比較的リーズナブルな価格設定と言えるだろう。