『最高の外交官』中国のパンダ外交から見える思惑「日本がパンダが欲しいとなったら、もれなく習近平国家主席が来る」武田一顕さんに聞く現状
そんな中、パンダは生息数が減少。絶滅の危機が指摘されるようになり、1984年、ワシントン条約で外国との取り引きが原則禁止に。それでも中国政府は「プレゼント」ではなく「レンタル」と形を変えてパンダ外交を続けます。
1994年には和歌山県のアドベンチャーワールドに、2000年には神戸の王子動物園に中国からパンダがやってきました。2011年にはオス&メスのペアのパンダが上野動物園にやってきて大変な盛り上がりとなりました。しかし、この2011年を最後に、日本に新しいパンダは来ていません。
ヨーロッパやアメリカ相手にも続くパンダ外交 日本は?
実はその間も中国は各国にパンダを貸し出し続けています。2012年にはフランスに、2018年にはドイツへ。そして今年4月にスペインのマドリード動物園に新たなパンダが到着したのに加えて、アメリカのサンディエゴ動物園にも新たなパンダを貸し出すことで合意。アメリカへの新たなパンダの貸し出しは約20年ぶりとなります。
パンダ外交の今後は?
逆に去年には4頭のパンダが中国に返ってしまった日本。今後のパンダ外交はどうなっていくのでしょうか?中国情勢に詳しいジャーナリスト・武田一顕さんに話を聞きました。 ▼武田一顕:ジャーナリスト、元TBS記者、元JNN北京特派員、中国情勢に精通、小渕内閣以降の歴代政権を取材 愛称は「国会王子」
Qなぜ中国はパンダを欧米やアメリカに貸し出す? 「まずやっぱりアメリカとかヨーロッパとの関係が悪くなりましたからそれを良くしたい。パンダは『最高の外交官』とか『友好の使者』って言われているんですよね。パンダを貸し出すことによって中国への感情を少しでも良くさせようっていう中国側の思惑があるわけです。とにかく子どもたちが好きなんですよね。とにかく好きなわけですよ。中国の四川省にはパンダの保護センターってものすごく大きい施設があるんだけど、そこに見に行く人がいる。パンダファンがどこにでもいるんですよね」
Q中国の欧米に対する態度が軟化している表れ? 「だいぶやはり軟化している。私見たけど、フランスから中国にパンダが帰ったんだけど、そのときはマクロン大統領夫妻が空港まで見送りに行ったって。パンダの見送りに。パンダファンはどこにも多くいる」