優秀な人ほど意外な“心当たり”がきっとある、簡単なチェックリストで「老害化」の兆候を見つけよう
■現役時代に優秀だった人ほど「老害化」の傾向が もうひとつ、「とても個人的な経験上の話」という前置きをしつつ、取り上げておきたいのは、現役時代に「先生」と呼ばれる職業に就いていた人は、若い世代からも同世代からも、老害扱いされやすい気がします。 教師、医師、弁護士(をはじめとする士業)、政治家などがそうです。もちろん、全員が全員ではありません。もろに該当する読者は、気を悪くしないでください。全体的な話として、日々多くの高齢者に接している身として、そういう傾向があると感じるのです。
なぜ「先生」と呼ばれていた人(おそらく今も呼ばれている人)は、老害になりやすいのか。 私が考える理由は、優秀な人が多いからです。小さいころから勉強ができて、ものごとを論理的に説明でき、豊富な知識を持っていて、周りから敬われてきた人が大半を占めるでしょう。そしてその経験が、自信と有能感を生みます。 それは決して悪いことではありませんが、万能ではありません。どなたにも、得意分野と不得意分野があります。にもかかわらず、「自分はたいていのことは知っている」となりがちなのです。
それがエスカレートすると、必要以上に自分の持っている知識をアピールしたり、誰彼構わず教えてあげようとしたりすることにつながり、その行動が老害力をさらに高めてしまうのです。 私も“元先生”の患者さんを多く診てきましたが、なかにはこちらが説明するのをさえぎって、「けっきょく、こういうことですよね」と先に結論を述べようとする人がいます。あたかも医学的な知識があるかのようにふるまうのですが、間違っていたり、論理破綻していたりして、対応に困ることもしばしばです。
私がこういう患者さんを老害扱いすることはありませんが、場所と相手が変われば、そうみなされてしまうこともあるでしょう。 重ね重ね断っておきますが、「先生」と呼ばれる職業に就いていた人は、全員が危険な老害予備軍であるといいたいわけではありません。みなさんにとって興味深い話になると思ったので、経験上そういう傾向がありますよ、ということを、こぼれ話的に紹介させていただきました。 ■潜在的な「老害化」の危険性をチェック!