「科捜研」と「鑑識」って何が違うの? それぞれの給料はどのくらい?
刑事ドラマでよく見かける職業に「科捜研」や「鑑識」というものがあります。いずれも正義感を持って務める仕事のため憧れる方もいるでしょう。 そして同時に気になるのが「月々の給料はどれぐらいなのか」という点です。今回は科捜研と鑑識についてそれぞれの収入を比較します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
科捜研とは?
まず科捜研とは、科学捜査研究員の略称です。科学捜査研究員を扱ったドラマもあることから、比較的知名度が高い仕事といえるでしょう。ここでは科捜研の仕事内容と給料を紹介します。 ◆仕事内容 科捜研は、犯罪を立証するための証拠を科学の力を使って明らかにする仕事です。一口に科捜研といっても担当する分野はさまざまで、下記の4つに分類されます。 ・物理鑑定 ・法医鑑定 ・科学鑑定 ・文書心理鑑定 具体的な業務としては、銃器や刀剣類の鑑定、DNA型鑑定や薬物の検査などがあります。 ◆年収 厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによると、科学捜査研究員の全国平均年収は、740万2000円です。国税庁による「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は458万円なので、これと比較すると平均よりも高い年収を得られる可能性がある職業だと考えられます。
鑑識とは?
鑑識は警察の中の一つの部署です。ここでは、鑑識の仕事内容や給料をご紹介します。 ◆仕事内容 鑑識の仕事内容は、実際にドラマでも見られるような下記が挙げられます。 ・指紋の採取 ・足跡の採取 ・DNA鑑定の採取 ・物的証拠となるものの採取など また、事件や事故の現場で写真撮影を行ったり、犯人の似顔絵を作成したりといったものも業務の一部であり、科捜研と比較して現場での作業が多い傾向にあるようです。 鑑識になるためには警察の採用試験に合格する必要があり、試験合格後、鑑識係に配属される流れです。ただし、希望すれば必ず所属できるものではない点に注意しましょう。 ◆年収 鑑識の初任給は、他の警察官同様、Ⅰ類採用者は26万9500円、Ⅲ類採用者は23万2000円です。「Ⅰ類採用者」と「Ⅲ類採用者」で年収に違いがあり、Ⅰ類は大卒程度、Ⅲ類は高卒程度という基準があります。 以上を踏まえると、Ⅰ類で採用された場合の年収は323万4000円です。なお、このほかに別途手当が支給されるため、前述の年収額よりも高くなる可能性があります。警察庁採用サイトによれば実務2年目の年収例は、554万7000円です。