1ドル=170円も視野、日銀国債購入の減額小幅なら-バンガード
ブルームバーグがエコノミスト43人を対象に行った調査では、7月会合で利上げと同時に国債買い入れ減額計画が発表されるとの予想は全体の3分の1にとどまっている。
日銀減額後の国債購入、月2兆-3兆円が下限の可能性-宮野谷元理事
日銀による長期国債の保有額は約584兆円と、発行残高の半分以上に膨張。買い入れの減額は利回り上昇につながる可能性が高く、価格に敏感な買い手の参入が見込まれる。クートニー氏は、国債買い入れテーパリング(段階的縮小)への政策転換は、欧州や米国に比べてかなり大きな波及効果が期待できると説明。10年債利回りは少なくとも1.50%まで上昇する可能性があるという。2日の日本国債市場では1.08%付近で推移している。
クートニー氏は、「そのインパクトの大きさに驚くかもしれないが、さらに重要なことは、それが次第に円の下支え要因になり得るということだ」と指摘。「われわれは最終的に日本国債には押し目買いの好機が来ると考えている」としている。
日銀の本格的な政策転換を待つ間、円が下落を続ける中で為替介入の可能性がより差し迫った懸念として市場にくすぶっている。
クートニー氏は、4月末から5月初めに実施された大規模な円買い介入が繰り返されたとしても、円安の進行ペースを遅らせる効果は限定的だとみる。日銀の引き締め策を伴わなければ、介入が効果を発揮できるハードルは高くなっていると指摘。こうした状況が続く場合、介入の実施後はドル買い・円売りの好機として捉えているという。
原題:Vanguard Sees Yen Sliding to 170 If BOJ Bond Policy Disappoints(抜粋)
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Naomi Tajitsu, Alice Gledhill