艶消しブラックに秘められた飛びの秘策とは? コブラ『ダークスピードX ドライバー』【ヘッドデータ分析で判明】
今回はコブラから発売された新モデルの「ダークスピードシリーズ」から、『Xドライバー』をピックアップしました。前作の「エアロジェットシリーズ」に搭載されたAIで設計されたフェースと、ヘッド内部に配されたウェイトが継続採用されています。すべては“ボール初速の向上“を狙っていると言います。ヘッドデータをクラブ設計家の松尾好員氏と考察していくと、コブラがドライバーを設計するうえで一貫しているポイントがありました。尖った性能の秘密を紐解き、相性がいいゴルファーを検証してみました。 【動画・トラックマン4&GCクワッドで検証】コブラ「ダークスピード X ドライバー」を試打
小さいリアルロフトがコブラの真骨頂
GD 今回はコブラの最新作『ダークスピードX』ドライバーを前作の『エアロジェット』ドライバーと比較しながら分析していただきます。今作はどのような特徴がありますか? 松尾 「クラブの長さ」と「リアルロフト角」、「ライ角」の3つに特徴があると感じました。またコブラのドライバーが貫いている設計ポイントも見えてきました。 GD まずクラブの長さからお願いします。 松尾 はい。クラブの長さが前作の45.25インチから45.13インチと約1/8インチとわずかな差ではありますが短くなっています。この変化がクラブの慣性モーメントにも表れていて、前作が293万g・㎠、今作が291万g・㎠と小さくなっています。 GD そのわずかな短尺化によってクラブ全体のバランスが軽くなり、前作よりも今作のほうが振りやすくなったと言えそうですね。続いてリアルロフト角についてお願いします。 松尾 コブラのドライバー全般に言える特徴のひとつが、立ち気味の設定になっているリアルロフト角です。今作は10.5度表示でありながらリアルロフトが9.0度と1.5度も立っています。このような設定は他のメーカーのドライバーではなかなか見かけません。ここまで徹底して立ったロフト設定をしているのは、「低打ち出し」と「ボール初速アップ」の狙いがあるからだと推察できます。加えてフェース側とヘッド後端に搭載されているウェイトを入れ替えると、打ち出し角を高くすることができるので、自分が求める弾道を見つけていくことができます。