【沸騰化時代の処方箋】1週間で400トンのごみ、“全国最大級”の粗大ゴミ処理施設に潜入
名古屋市内にある“全国最大級”の粗大ゴミ処理施設にカメラが潜入。多いときは週に400トン持ち込まれることもあるというごみは、どのように処理されているのでしょうか。ごみ処理施設の現状、地域の取り組みについて取材しました。 【動画】粗大ごみ処理施設に潜入
持ち込まれるごみは多いときで週に約400トン
名古屋市港区にある『大江破砕工場』。名古屋市の不燃ごみや粗大ごみを一手に引き受けている、全国でも最大規模の施設です。利用できるのは名古屋市民。利用希望者は地域の環境事業所で手続きをしてから、同工場まで各自でごみを運びます。工場で持ち込んだごみの重さを量り、費用を支払うことでごみを処理することができます。
取材時にも、次々に捨てられていく家具などの粗大ごみ。『大江破砕工場』によると、持ち込まれるごみは、多いときで週に約400トン。年末などピーク時は処理目的のごみを積んだ車が1日500台並び、最大3時間待ちになったこともあるという。なぜ市民はこの工場にごみを持ち込むのか。
『大江破砕工場』工場長・兼重 隆さんに聞くと、粗大ゴミは1か月に1回収集の申し込み制。申し込みしてから工場に持ち込むまで、1か月半ほど時間がかかるため、その間に新しい家具を購入したり、引っ越しなど、時間的な問題で持ってくる人が多いのではないかと話します。ごみが持ち込まれることについて兼重さんは、「もったいないとは思うけど、家の大きさに限りがある。仕方がない」と心苦しそうに語りました。
案内された部屋は、ごみを掴んで移動させる巨大クレーン「バケット」の操作室。クレーンでは一度に収集車2~3台分のごみ、約5トンのごみを掴むことができます。
クレーンの下にあったのは、深さ約20mにもおよぶごみを貯める「ピット」。「週に400トンくらい。今、2週間分くらいたまっている」と話す兼重さん。ピットのなかは、わずか2週間で底が見えないほどのごみで埋め尽くされていました。 ごみはクレーンで運ばれ、細かく砕かれたあと、鉄やアルミはリサイクルのため売却。不燃物・可燃物は、焼却施設へ運ばれ処理されていきます。