白鷗大、4度の延長の末に連覇達成!歴史に刻まれた3時間の激闘[インカレ2024/大学バスケ]
「(白鷗大に)そういう力があるのはわかっていました。怖さはあったんですけど、その中で自分たちが今できることをしっかりやろうということでやりました」と語ったのは、東京医療保健大の司令塔No.20島村きらら。No.91大脇晴がリバウンドから決めて連続失点を止めると、そのNo.91大脇、No.3イベ エスター チカンソの得点で再び9点差まで広げた。 その後、白鷗大はNo.75佐藤、No.23高田の3Pシュートで71-73とした。東京医療保健大は残り8秒、No.11五十嵐がフリースローのチャンスを得たが2本とも決まらず。そのリバウンドを奪ったのはNo.13アマカだった。すぐにNo.5池田凛にパスしたが、そのボールをファンブル。サイドラインを割って相手ボールとなってしまう。 「やってしまったと思いました。でも、その分を取り返すしかないと思っていました。行けると思って跳びつきました」とNo.5池田。残り3.8秒、東京医療保健大のインバウンドで、No.11五十嵐はふわりと浮かせたパスを出す。すると白鷗大No.5池田が跳び付いてスティール。そのまま持ち込んでブザービーターとなるレイアップを決めて73-73とし、延長に持ち込んだ。
3度の延長も決着せず、最後に流れを掴んだのは白鷗大だった
延長は正に一進一退の攻防が続いた。オーバータイム、ダブルオーバータイム、トリプルオーバータイムを終えても決着を見ず。その中で白鷗大は4Q のNo.20舘山に続いて、No.23高田、No.13アマカが、東京医療保健大はNo.3イベ、No.91大脇、No.20島村がファウルアウトになる。 迎えた4度目のオーバータイム、東京医療保健大はNo.17門脇瑚羽、No.11五十嵐のシュートで103-100とリードを作ったが、これが最後の得点になってしまった。白鷗大はNo.5池田、No.11佐々木の2年生ガードコンビで同点、逆転とすると、左膝の問題によりプレイタイムを制限されていたNo.13アマカをサポートしてきたNo.41アダム アフォディヤの3ポイントプレー、試合の中で何度となくピンチを救ってきたNo.75佐藤のフリースローで締め、111-103。激闘に終止符が打たれた。 「本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。苦しい時間が続いて、白鷗のペースが来るまでがすごく長かったですが、最後は一体感が生まれて白鷗らしいプレーを出して勝利できてすごく良かったなと思います」と喜びを語ったのは、最優秀選手賞に選ばれたNo.75佐藤。「『もうダメかな』という時間もあったんですけど、コートの仲間もベンチメンバーも『まだいける』とすごく励まし合ってきて、全員のギアがバンと上がりました。言葉や笑顔が本当に力になったのかなと思います」とベンチメンバーも含めて全員で勝ち取ることができたと説明した。 2年連続の栄冠を手にした白鷗大と、全力を尽くして挑み続けた東京医療保健大。最後まで互いに一歩も譲らなかった両校の戦いは、勝者と敗者を超えた名勝負として記憶に残ることだろう。 《大会結果》 優勝:白鷗大(2年連続3回目) 準優勝:東京医療保健大 3位:拓殖大 4位:山梨学院大 【個人賞】 ・最優秀選手賞:佐藤多伽子(白鷗大No.75) ・敢闘賞:大脇 晴(東京医療保健大No.91) ・優秀選手賞 舘山萌菜(白鷗大No.20)、高田栞里(白鷗大No.23)、絈野夏海(東京医療保健大No.5)、ンウォコ マーベラス アダクビクター (拓殖大No.55)、藤澤夢叶(山梨学院大No.5) ・得点王:藤澤夢叶(山梨学院大No.5) ・3ポイント王:藤澤夢叶(山梨学院大No.5) ・アシスト王:絈野夏海(東京医療保健大No.5)、佐藤恋々(拓殖大No.17)、日野華希(山梨学院大No.55) ・リバウンド王:オコンクウォ スーザンアマカ(白鷗大No.20) ・MIP賞:島村きらら(東京医療保健大No.20) ・クリーン・ザ・ゲーム賞:山梨学院大 ・最優秀監督賞:佐藤智信(白鷗大)
文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)