日本車は中国車に勝てるのか? BYDだけじゃない! 東南アジアでシェア拡大を狙う中国企業の強かさ。
タイの新車市場で中国車が躍進中だ。これまで圧倒的シェアを誇っていた日本車の立ち位置は今後どうなる? 【写真を見る】もうパクリとは言えない!? シェア拡大中の最新中国車とは?
日本車人気に陰り? 中国車のシェアが躍進!
毎年3月に開催されている「バンコク国際モーターショー(BIMS)」。今年は第45回の記念イベントとして開催された。会場で目を見張ったのが中国勢の圧倒的な存在感。それは長いこと9割のシェアを握ってきた日本車の立場を危うくするほどだ。そんなタイの自動車事情を現地から会田 肇がレポートする。 東南アジアで開催されるモーターショーの特徴としてあるのが、ショーそのものが予約販売の受注会場となっていることだ。会期中は低金利ローンをはじめ、さまざまな予約特典が付与され、会期中で予約することのメリットを全面に打ち出している。 主催者が発表したBIMS2024の実績を見ると、来場者数は約161万人。会期中に予約された台数は5万8611台(主催者発表)にも達し、これはタイ国内で1年間に販売される約77.5万台(2023年)の約8%に相当する。まさにBIMSはタイの自動車産業の動向を占うにふさわしいイベントとなっているのだ。 そんな中で今年初め、衝撃的なニュースが自動車業界を駆け巡った。それはタイにおける2023年の自動車販売台数で、中国車のシェアが11%と前年比2倍にまで拡大し、それに伴って日本車のシェアが78%にまで落ち込んだというものだ。タイを含め、東南アジアは長きにわたり、シェアがほぼ9割を超えるいわば“日本車の牙城”。その足元がついにタイで揺らぎ始めたというわけである。 実はその流れは何もタイに限ったことではない。日本車のシェアが95%という圧倒的シェアを獲得してきたインドネシアでも、昨年はついに9割を下回る状況になっていた。その要因はやはり急速に力を付けてきた中国車の進出によるところが大きく、その勢いは今年2月に首都ジャカルタで開催された「インドネシア国際モーターショー(IIMS)2024」でもはっきりと見ることができた。