マルティネス&田中将大をダブル獲得…大補強敢行の巨人に藤川阪神はひるまず戦え 越後屋のトラ漫遊記
ライデル・マルティネス投手(28)、田中将大投手(36)のダブル獲得…と、大補強の巨人に阪神は心理的にひるんではいけません。東の巨人、強い巨人に牙をむき、対抗し続けてきたのが阪神の伝統であり、アイデンティティーだからです。来年1月1日のオーナー交代を前に、杉山健博オーナー(66)と秦雅夫新オーナー(67)は言いました。「常勝軍団を目指す」「毎年のように優勝できる力がついた」と。新旧オーナーが力強くファンに約束した「優勝」への意気込みをぶつける相手こそ巨人です。阪神ファンはそれを願っています。 【写真】幼なじみの楽天・田中将大と巨人・坂本勇人=2011年 ■4年総額50億円以上 永遠のライバル・巨人はものすごい勢いで補強を進めました。今季も43セーブを記録した中日の絶対的な守護神、マルティネスが3年契約を満了して自由契約になるや他球団との争奪戦に乗り出して、このほど獲得に成功しました。球界に流れた情報によると、獲得条件は「4年契約で総額50億円以上」だとか…。 マルティネスも母国キューバで会見を開き、巨人移籍について「ジャイアンツはセ・リーグで最高のチームの一つで常にプレーオフに進出している。日本シリーズに出場し、優勝することが夢だったので、とてもいい機会。ジャイアンツでならチャンスをつかめると思っている」などと話したと外電が伝えています。 今季、3年連続最下位に沈んだ中日にいては、いつまでたっても勝利の美酒にありつけない…と思ったことも移籍決断の大きな理由だったのでしょうか。中日球団にとっては大ショックですね。 ■エース菅野の穴埋め マルティネスは中日で7シーズン投げて、通算166セーブ。直近3シーズンの防御率は2022年が56試合に登板して0・97。23年が48試合登板で0・39。今季は60試合に登板して1・09ですね。もうほとんど打たれていない。点を与えていない。日本球界屈指のクローザーです。 巨人には今季29セーブを挙げ、防御率0・88の大勢がいる。強固な守護神がいるにもかかわらず、さらに試合終盤の防御を鉄壁にするためにマルティネスを獲得したわけですね。 優勝旅行でハワイに滞在している阿部慎之助監督は早くも「八回が大勢、九回はマルティネス」と構想を明らかにしています。今季の巨人はリーグトップの救援防御率2・27でしたが、来季のリリーフ陣はさらに厚みを増します。中継ぎにはケラー、バルドナードに高梨や船迫…。阿部監督は「他球団は六回までに何とか点を取ろうとなるだろう」と話しています。