マカオの2024年9月飲食業・小売業景気調査結果公表…両業界とも売上額対前年マイナス
マカオ政府統計・センサス局は11月18日、今年(2024年)9月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。マカオのツーリズム市場において9月は夏休み直後のローシーズンにあたる。 同局の調査に回答した飲食業者の売上額は前月から9.4%下落。ジャンル別ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店が10.1%下落、日韓レストランは0.6%上昇。また、小売業者の売上額も16.5%下落。ジャンル別ではコスメティック・衛生用品、革製品、百貨がそれぞれ28.7%、23.9%、22.3%の下落、自動車は30.4%上昇。 前年同月と比較した売上額については、飲食業で5.5%下落、小売業についても20.7%下落。飲食業ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店と茶餐廳・粥麺店がそれぞれ13.4%、3.9%下落。小売業では時計・ジュエリー、革製品、コスメティック・衛生用品がそれぞれ37.5%、25.4%、21.1%下落、自動車は1.9%上昇。 9月と比較した10月の見通しについては、多客期の「十・一黄金週(国慶節ゴールデンウィーク)」があることから、飲食業の42%が上昇、14%が下落、小売業では48%が上昇、16%が下落とした。なお、飲食業のうちチャイニーズスタイルの酒楼・飯店の55%と西洋スタイルのレストランの48%、小売業のうちコスメティック・衛生用品小売の70%、百貨商の63%、革製品小売の57%が上昇と回答。 売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が64.3、小売業が66.4で、いずれも基準値となる50を上回り、9月に比べて10月の売上が悪化するとみていることを示す結果に。 なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。 マカオでは昨年1月初頭のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、直近まで勢いを維持している。今年1~8月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から32.7%増の2339万2903人、2019年同時期と比較した回復率は85.3%。ただし、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、リベンジ消費の減退、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことで「北上消費」と呼ばれる広東省珠海市への消費流出など、マカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとの指摘もある。