【京都のお茶時間】このために旅したい!築100年の日本家屋でいただく特別な煎茶コース
まず1煎目はお茶のみを味わい、2煎目以降はお茶請けとのマリアージュを楽しめる。今回一つ目に選んだお茶請けは、化学調味料や保存料不使用の漬物。昔ながらの製法で作られる漬物は、野菜本来の味が楽しめ、オーガニックの日本茶とも寄り添う味わいだ。
2つめのお茶は、宮崎県五ヶ瀬産「釜炒茶在来種」。国内のほとんどの茶園が、品種改良された”挿し木苗”によって栽培される改良種の茶葉を生産しているが、在来茶は、古くからその地に自生している野生種で現在ではほとんど流通していない希少な品種になっている。五ヶ瀬産「釜炒茶在来種」は、標高600~700mに位置する江戸時代から続く釜炒茶の産地、五ヶ瀬に90年近く実生している茶樹から摘んだ茶葉を使用。蒸した後に釜で炒り、焼きたてのパンのような香りとカラメル感を感じ、胡椒や山椒を思わせるスパイシーな後味も特徴的。 2つ目の菓子に選んだタルトタタンのカラメルのほろ苦さともよく合っている。このタルトタタンは、京都・岡崎に店を構えるタルトタタンの人気店「ラヴァチュール」に、別注した、植物性の材料で作ったベジケーキに。植物性の材料のみで作ることで、より日本茶との相性が高まっている。
オーナーは長年ギャラリーを営んでいるだけあり、お茶を飲むための設えや道具、空間も洗練されていて、茶室にいるような凜とした空気感も心地いい。どのお茶も6、7煎まで楽しむことができ、煎を重ねるごとに変化する味やアロマを追いかけながら、新しい日本茶との出会いを感じることができる。 「冬夏」 住所:京都市上京区信富町298 営業時間:11:00~18:00(17:30LO) 定休日:火曜、水曜 TEL. 075-254-7533 予約制(前日まではWeb予約、当日は電話で受付。席が空いている場合は、予約なしでも利用可) TEXT BY JUNKO AMANO FEBRUARY 23, 2024 天野準子 生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント