【親への仕送り】毎月いくら渡す?最新の「仕送り」事情と注意点を現役FPが解説
内閣府が2024年6月21日に公表した「令和6年版高齢社会白書」によると、65歳以上の68.5%が「経済的な心配はありません」と回答。 ◆【最新グラフ】仕送りに頼らないと厳しいの?65歳以上世帯の貯蓄事情をチェック 親が高齢となり仕事を退職した場合、家計が赤字となる場合もあるかもしれません。 「少しでも楽になるように」と、親や保護者へ仕送りしている家庭もあるでしょう。 今回は、親への仕送り事情を深掘りしていきます。毎月いくらくらいお金を渡しているのか、また親へ仕送りする際に留意しておきたいポイントも見ていきましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【世帯割合】親に仕送りしている世帯はどのくらいある?
まずは、親に仕送りをしている世帯がどのくらいあるのかチェックしていきます。 2022年国民生活基礎調査の概況によると、世帯総数5431万世帯のうち「親にのみ」仕送りをしている世帯は104万7000世帯。 「親と、自分の子ども」に仕送りをしている世帯は、9万1000世帯いました。 親に仕送りをしている世帯は、全世帯の2%ほどと少数派です。しかし、親と同居していて親を扶養しているケースもあるでしょう。 また、定期的な仕送りはせずに親が手術したり、老人ホームに入所したりする場合に金銭的な援助を一時的に行う家庭もあるかもしれません。 高齢となった親のことを気にかけながら生活する方々は少なくないと考えられます。 次の章からは、仕送りをしている世帯の具体的な仕送り金額をチェックしていきましょう。
【金額別の世帯数】親にいくら仕送りしている?
次に、親に仕送りをしている場合、いくらくらいお金を渡しているのかチェックしていきましょう。 同じく、2022年国民生活基礎調査の概況によると、親にのみ仕送りをしている世帯は、平均毎月5万6000円を親に渡しています。親と、自分の子どもの両方に仕送りをしている世帯は、合わせて平均毎月13万4000円を仕送りしています。 また、親にのみ仕送りをしている世帯は、平均月2~4万円未満を仕送りしている世帯の割合が最も多くなっています。 ●1世帯当たり平均仕送り額 1世帯当たり平均仕送り額は5万6000円。10万円以上という世帯も19万7000世帯で、全体の18.8%となりました。 ・総数:104万7000世帯 ・2万円未満:12万8000世帯 ・2~4万円:31万3000世帯 ・4~6万円:21万4000世帯 ・6~8万円:6万6000世帯 ・8~10万円:4万2000世帯 ・10万円以上:19万7000世帯 ・不詳:8万8000世帯 ・1世帯当たり平均仕送り額:5万6000円 高齢シニアと考えられる親世帯は、年金と親本人の今までの貯蓄で生活していることでしょう。 しかし、それだけでは「経済的に生活が苦しい」と感じる場合、子どもの世代が足りないお金を補うために親に仕送りしていると考えられます。 実際に、総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、65歳以上・二人以上世帯の貯蓄額平均は2414万円でした。 しかし、内訳では貯蓄額2000万円を超える世帯が全体の41.2%を占める一方で、貯蓄額1000万円に満たない世帯は29.5%と約3割。100万円未満世帯は7.9%もいます。 貯蓄の平均と中央値で乖離している実情が見て取れますね。 次の章から、親へ仕送りする際に気をつけておきたいポイントを解説します。