ユーロ圏10月総合PMIは2カ月連続50割れ、需要低迷 12月追加利下げ観測
[ロンドン 24日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめた10月のユーロ圏HCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は、内外の需要が低迷し、2カ月連続で好不況の節目である50を下回った。 製造業とサービス業を合わせた総合PMIは49.7。9月の49.6からわずかに改善したがロイターがまとめたエコノミスト予想(49.8)には届かなかった。 ハンブルク商業銀行(HCOB)のチーフエコノミスト、サイラス・デラルビア氏はユーロ圏は閉塞状態にあるとし、製造業の縮小をサービス業の小幅改善でカバーし、ほぼ均衡がとれている状況だと指摘した。 INGのバート・コリジン氏は「総合PMIは製造業の持ち直しでわずかに上向いたが、製造業は22年後半から縮小が続いており、とても歓迎できる内容でない」と述べ、サービス業でも新規受注が鈍化したと指摘した。 総合PMIの新規事業指数は47.8で8カ月ぶりの低水準だった9月の47.7とほぼ変わらず。ユーロ圏諸国向けも含む新規輸出事業指数も50を下回った。 サービスPMIは51.2。51.5への改善予想に反し9月の51.4から低下した。サービス業者は若干値上げをし、産出価格指数は9月の41カ月低水準の52.6からわずかに上昇した。 2年以上縮小が続いている製造業PMIは45.0から45.9に上昇し、エコノミスト予想(45.3)以上に改善した。生産指数が44.9から45.5に上昇したが、先行き見通しを示す将来生産指数は53.6から52.3に低下し12カ月ぶりの低水準となった。 ドイツの総合PMIは50を下回ったものの9月からは上昇した。フランスはサービスPMIが7カ月ぶりの低水準となった。 PMIは、先週の欧州中央銀行(ECB)の連続利下げ後、最初に発表された景況感指標となる。 オックスフォード・エコノミクスのパオロ・グリグナニ氏は「きょうのPMIでECBが12月に再利下げする根拠が増えた」と述べた。