菅野智之のオリオールズ移籍で米メディアも特集「厚みと潜在的価値を与える」「卓越したコントロール」
オリオールズは16日(日本時間17日)、巨人から海外FA権を行使してメジャー移籍を目指していた巨人・菅野智之投手(35)の入団を公式X(旧ツイッター)で発表した。米スポーツ専門局「ESPN」のJ・パッサン記者によると、1年1300万ドル(約20億円)の契約だという。 長年巨人のエースを務めてきた菅野のメジャー入りを受け、現地メディアも反応。米「CBSスポーツ」は今オフ、ロッテからポスティングシステムを申請した佐々木朗希投手(23)以外の最も注目される国際選手の一人として菅野を取り上げていたことや、菅野の経歴を紹介。「空振り(を奪うこと)が少ないため、菅野はエースにはなれないが、中継ぎから(ローテの中の)下位の先発までの基準で、オリオールズにさらなる厚みと潜在的価値を与えてくれる」と報じた。 また、MLB公式サイトも特集を組み、「菅野は多彩な投球スタイルを持ち、卓越したコントロールで知られている。これが彼の投手としての際立った資質。彼は直球、シンカー、カットボール、スライダー、スプリット、カーブを投げる。スプリットとスライダーは彼の主な決め球である」と報道。「菅野はこれまでMLBの打者と対戦したことがあり、最高の打者を圧倒してきた」と17年のWBCの映像も公開した。菅野は同準決勝の米国戦(ドジャースタジアム)に先発し、6回3安打1失点(自責0)と好投していた。 オリオールズはヤンキース、レッドソックス、レイズ、ブルージェイズと強豪がそろうア・リーグ東地区に所属。17年からは6年で4度の地区最下位など苦しんでいたが、23年に101勝を挙げて、9年ぶりに地区優勝を果たすと、今季もヤンキースに次ぐ地区2位でポストシーズンに進出。ロイヤルズとのワイルドカードシリーズで2連敗して敗退した。 先発投手陣では、チーム最多の15勝を挙げたC・バーンズ投手(30)が今オフFAで退団する可能性が高まっている。他に2ケタ勝利を挙げたのはG・ロドリゲス投手(25)のみで、菅野は1年目からエース格として働くことも期待される。 ◆ボルティモア・オリオールズ 前身はセントルイス・ブラウンズ。1954年にボルティモアに移転し、オリオールズとなった。66年に移転後リーグ初優勝し、ワールドシリーズではドジャースに4連勝し初の世界一となった。69年からリーグ3連覇。83年に3度目の世界一に輝いたのが最後。過去には上原浩治(09~11年)、和田毅(12~13年、出場なし)、藤浪晋太郎(23年)が在籍。監督は来季が7年目のブランドン・ハイド。 ◆菅野 智之(すがの・ともゆき)1989年10月11日、神奈川・相模原市生まれ。35歳。東海大相模高では甲子園出場経験なし。東海大時代には首都大学リーグ通算53試合の登板で37勝4敗、防御率0・57。今季は15勝3敗で2度目の最高勝率と史上6人目となる4度目の最多勝。最優秀防御率4度、最多奪三振2度。14、20、24年MVP。17年から2年連続沢村賞。ベストナイン5度、ゴールデン・グラブ賞5度。17年WBC日本代表。NPB通算276登板、136勝74敗、防御率2・43。186センチ、95キロ。右投右打。
報知新聞社