高成長のインド株で過去1年のパフォーマンスが際立つ、「東京海上・インド・オーナーズ株式オープン」快進撃の背景
世界で屈指の経済成長率が期待されるインドは、その若い人口構成と高い教育水準が評価され、株価も右肩上がりで上昇を続けている。そのインド株式を対象とした投資信託の中で、「東京海上・インド・オーナーズ株式オープン」(以下、「インド・オーナーズ株式オープン」)は、過去1年のパフォーマンスで頭一つ抜けた成績を残している。同ファンドを運用する東京海上アセットマネジメントのアジア株式の運用を統括するシンガポール拠点のチーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)である秋澤宏典氏(写真)に、インド株式市場の魅力と同ファンドの運用について聞いた。 ――インドは世界屈指の経済成長率が期待される市場ですが、その特徴や成長の背景は?
アジア株式市場の中でインド株が強い理由の1つに、これまで市場のけん引役を担ってきた中国市場がこの2~3年弱く、中国株式に向かっていた資金がシフトしていることがあります。向かっている先が日本やインド、東南アジアなどの市場です。中国から他の市場に目を移すという動きは、多くの国々の間で、米中貿易摩擦が激化した2010年代後半から「チャイナ・プラス・ワン」という形で本格化しています。
インドの魅力は、第一に世界最大の人口を擁する国だということです。中国が一人っ子政策などの影響で、急速な高齢化が進むと見られている中、インドは生産年齢人口(15~64歳)が多く、今後30年くらいは人口が増加すると見込まれています。インドは2019年から、生産年齢人口がその他の人口の2倍以上となり、豊富な労働力を背景に経済成長が加速しやすい「人口ボーナス期」に入り、その追い風が2050年頃まで続くと期待できます。
また、2期10年続いたモディ政権が、今年実施される総選挙でも多数の支持を集めて3期目に入ることが期待されています。これまでの経済政策が継続されることで、製造業の後押しや規制緩和によって発展を遂げてきたインド企業の生産性が維持・拡大する期待があります。また、PLI(生産連動型インセンティブ)スキームによって拡大してきた製造業を強化する「メイク・イン・インディア」政策も継続され、ちょうど2000年から2010年にかけて「世界の工場」として高い経済成長を享受した中国のような状況が、今後、インドに期待されます。