高成長のインド株で過去1年のパフォーマンスが際立つ、「東京海上・インド・オーナーズ株式オープン」快進撃の背景
今後、モディ政権が3期目に入るとすると、積み残してきた政策課題である土地収用法の改正と労働市場の規制緩和が実施されると期待され、それによってインド企業の生産性が一段と向上し、インド経済全体の見方が変わると考えています。
――インド経済の高成長を期待してインド株価はここ数年、ずいぶん上昇しました。割高ではありませんか?
世界の株式市場の時価総額の伸びと、その国の名目GDPの伸びは概ね連動しています。インド経済と株式市場の伸びも同じです。「MSCIインド」の算出が始まった1992年末から2023年末まで31年間で、インドの名目GDPの年平均成長率は13%弱という水準でしたが、この間、インド株式市場は年率平均11%で上昇しました。過去5年でみても、名目GDPの成長率が10%に対し、株式市場の上昇率は年14~15%と、長期間にわたって高い成長率を誇っています。
過去5年間は、名目GDPの伸び率に対して株式市場の上昇ペースが速くなっていますが、これは、企業の生産性向上など業績改善効果によってEPSが上昇したことに加えて、バリュエーション(PER)も上昇したことが要因です。
来年度にあたる2025年3月期はGDP成長率が6.3%と見込まれ、インフレ率が5~6%程度と考えられることから、名目GDPの伸び率は10%台前半の水準になりそうです。企業収益は、売上高が12%~15%程度伸びると考えられ、企業の収益性が改善するとEPS成長率は15%~20%が期待できます。バリュエーションが多少下がったとしても株式市場の10%くらいの上昇は期待できます。
今後5年~10年を見通しても、GDP成長率は5%~6%程度で推移すると考えられ、インフレ率はインド中央銀行の目標が4%なので、名目GDPの伸び率が10%程度のポテンシャルはあります。そして、株式市場も企業収益が今後も同程度見込め、バリュエーションも同程度で推移すると、やはり年10%程度の成長ポテンシャルがあるということがいえます。これは、現在の債券利回りから考えても妥当な水準です。現在、インドの10年債の利回りは7%程度です。この利回りは10年間で元本が2倍になる水準です。株式市場は過去5年で2倍になり、これと同程度の上昇率が続いても債券利回りとの関係ではリーズナブルな上昇といえる水準です。