腎臓を守るために実践したい4つのこと(専門家が監修)
ヒトの寿命を決めるという腎臓。いつまでも上機嫌で働いてもらうためには、適度に労わりつつ、日々のメンテナンスや状態チェックを欠かさないこと。まずはこの4つを日常生活の中で実践しよう。地味ながら健気に働く司令塔に、つねに心配りを。[取材協力/川村哲也(東京慈恵会医科大学客員教授)、田畑尚吾(田畑クリニック院長)、中野ジェームズ修一(スポーツモチベーション最高技術責任者)、石垣英俊(ホリスティッククーラ代表)]
教えてくれた人:
川村哲也さん(かわむら・てつや)/腎臓専門医。東京慈恵会医科大学客員教授、同腎臓・高血圧内科客員診療医長。腎臓病の臨床と研究に長年携わるほか、患者向け「腎臓病教室」を開くなど腎臓病の正しい知識の啓蒙に努める。医学博士。 田畑尚吾さん(たばた•しょうご)/総合内科専門医。田畑クリニック院長。北里研究所病院、慶應義塾大学病院、東京オリンピック•パラリンピック選手村診療所内科チーフドクターなどを経て現職。糖尿病専門医、総合内科専門医、スポーツ内科医。
尿の色、臭い、量、回数をチェック
便が大腸の現況を反映するなら、腎臓の状態を知らせるのは尿。尿を作るのが、腎臓の仕事だからだ。トイレで排尿するたびに、色、臭い、回数、量をチェックしよう。冷静に観察を重ねて、これまでにない尿の変化を捉えることができたら、腎臓の異変にいち早く気づける。 「健常者の尿は透明感のある淡黄色。臭いはほぼありません。排尿回数は日中4~5回、夜間0~1回。尿量は1日1.0~1.5Lが標準です」(東京慈恵会医科大学客員教授で腎臓専門医の川村哲也先生) 血尿など尿に色がついていると、尿路感染症や尿路結石の恐れも。 水分摂取が足りず、脱水が起こっていると、尿は濃くなりやすい。脱水が進むと腎臓のダメージにつながるから、水分摂取を意識して増やしたい。 尿から甘い匂いがするなら糖尿病性腎症を招く糖尿病、アンモニア臭がキツいなら、腎機能を低下させる尿路感染症の恐れがある。尿が泡立つときは、腎機能が落ちて蛋白尿が出ていることも考えられる。 腎機能が下がると、頻尿になることもある。頻尿とは日中8~10回以上、または夜間2回以上トイレに行くもの。慢性腎臓病(CKD)が進むと逆に尿が十分に作れなくなり、尿量・回数が減ることもある。