【MLB】名門球団の転換点 モゼリアック編成本部長が来季終了後に退任へ 高額年俸の主力は放出の可能性も
メジャーを代表する名門球団が大きな転換点を迎えている。日本時間10月1日、カージナルスは現アドバイザーのハイム・ブルームが2026年シーズンから5年契約で編成本部長に就任することを発表。それに伴い、2008年から長きにわたってフロントオフィスのトップを務めてきたジョン・モゼリアック編成本部長は来季限りで退任することになった。また、今後は若手中心のチーム編成とし、選手育成スタッフの増員やテクノロジーの改善への投資を8~12%ほど増やす方針のため、高額年俸の主力選手をトレードで放出する可能性があることを明らかにした。 カージナルスのジョン・モゼリアック編成本部長が来季限りで退任へ モゼリアック編成本部長は「非常に大まかに言えば、設備投資を増やすためにペイロールを減らす可能性があるということだ」とコメント。「どれくらいペイロールが減るか、具体的な金額がわからないので、誰がトレードされるとかそういう話は時期尚早だ」とする一方で「チームには多くの若手選手がいる」と語り、若手とポジションの重なるベテラン選手の放出を示唆した。ノーラン・アレナド、ウィルソン・コントレラス、ソニー・グレイ、マイルズ・マイコラス、スティーブン・マッツといった高額年俸の選手たちはもれなくトレード候補となりそうだ。 また、今季49セーブを挙げて球団記録を更新したライアン・ヘルズリーも年俸調停による大幅な昇給が見込まれるため、トレード要員となる可能性が高い。カイル・ギブソンとランス・リンの球団オプションを行使する可能性は低く、両ベテラン投手もチームを去ることになるだろう。ただし、米公式サイト「MLB.com」が関係者から得た情報によると、今季終了後にFAとなるポール・ゴールドシュミット、アンドリュー・キットリッジ、キーナン・ミドルトンについては、安価での再契約を目指す意向を持っているようだ。 モゼリアックからブルームへのバトンタッチが行われるなかで、カージナルスはメイソン・ウィン、ブレンダン・ドノバン、アレック・バーレソン、ラーズ・ヌートバー、ジョーダン・ウォーカー、ノーラン・ゴーマン、アンドレ・パランテ、マイケル・マグリービーといった若手を中心としたチームに変わっていくことになる。そのためには選手育成システムの構築・改善が必須であり、モゼリアックが退任するまでの1年間、ブルームはその部分に注力するようだ。「他球団に追いつくことも重要だが、我々は主導権を握りたいと思っている」とブルーム。かつては多くの選手を見事に育て上げ、球界屈指の強豪として君臨したカージナルスだが、その地位を取り戻すことはできるだろうか。 なお、ビル・デウィット会長は完全にチームを解体する形での「再建」を行うことを明確に否定している。若手中心のチーム編成にシフトしていくものの、あくまでもチームの競争力を維持しながら「改革」を進めていくつもりのようだ。